芥川賞候補盗作問題 北条裕子謝罪も沈静化せず

群像新人文学賞に選ばれ、さらに第159回芥川賞の候補作となった北条裕子の小説「美しい顔」の盗作疑惑についての続報です
これまでは講談社が謝罪を表明するものの、盗作・剽窃ではないとの一点張りで、参考文献リストをつけ忘れたのが問題だった、と事態を矮小化してきました
北条裕子の「美しい顔」には、他の著作と類似した表現、文章が幾つも指摘されており、参考文献リストさえ提示すれば済む話ではないのに
ここにきて、北条裕子自身が謝罪のコメントを出したのですが、これもまた「参考文献リスト」をつけ忘れたと主張する内容であり、他の著作をコピペした行為については触れていません。あくまで「参考文献リストの掲載漏れ」で押し通すと、講談社側と話がついた上での対応なのでしょう


第159回芥川賞の候補作になった北条裕子氏の小説『美しい顔』作中に、石井光太氏のノンフィクション『遺体 震災、津波の果てに』内の表現と酷似する部分があると問題となった件で、北条氏は9日、『美しい顔』を掲載した『群像』出版元の講談社を通じ文書で謝罪した。
第61回群像新人文学賞を受賞した『美しい顔』は講談社の文芸誌『群像』6月号に掲載。
その後、『遺体 震災~』からの“盗用”疑惑が問題となったことを受け、今月3日に講談社が声明を発表。参考文献として掲載しなかった点について謝罪したが、盗作・剽窃といった指摘については抗議する姿勢を示した。今月6日に発売された『群像』8月号でも、『遺体 震災~』を参考文献として未掲載だった点については謝罪している。
北条氏はコメントのなかで、参考文献としての記載がなされなかったことについて、「(『遺体 震災~』で取材対象となった)その関係者の方々の思いや労力に対して抱いている敬意を表するために、参考文献一覧を小説の末尾に載せたいと考えていました。しかし、この作品がもし新人賞を受賞し、単行本を刊行できるようであれば、その時にそれをすれば良いと思い込んでしまっていたのは私の過失であり甘えでした」と述懐。
続けて「なぜ新人賞応募時に参考文献を明示しなかったのか、今とても悔いております。結果的に参考文献の著者・編者、さらには現地の取材対象者の方々に、敬意と感謝の気持ちを伝えるどころか、とても不快な思いをさせてしまうことにもなりました。たいへん至らなかったと反省しております」と謝罪している。
また、「参考文献の扱いへも配慮を欠いたことも猛省しております」とし、「いくつかの場面においては客観的事実から離れず忠実であるべきだろう、想像の力でもって被災地の嘘になるようなことを書いてはいけないと考えました。その未熟な判断が、関係者の方々に不快な思いをさせる結果となりました」と振り返り、「私は自身の目で被災地を見たわけでもなく、実際の被災者に寄り添いこの小説を書いたわけでもありません。そういう私が、フィクションという形で震災をテーマにした小説を世に出したということはそれ自体、罪深いことだと自覚しております」とつづった。
(オリコンニュースの記事から引用)


慎重に言葉を選び、反省を口にしているのですが、この謝罪のコメントは講談社が推敲した上で、公開に踏み切ったのかもしれません
しかし、何に対して謝罪をし、反省しているのか不明なままです。「想像力でもって被災地の嘘になるようなことを書いてはいけない」と考えた結果、他の著作からコピペした…と言ってる風に聞こえます
インターネット上には、中条裕子の「美しい顔」と、引用元になった著作の元の文章と比較対照する一覧表があちらこちらで掲載されており、コピペは数十箇所にも及んでいると明かされています
参考文献リストがどうのこうの、というレベルの話ではありません
芥川賞の審査結果がどうなるかはともかく、小手先の謝罪は逆効果であり、イメージを悪くしただけでしょう
コピペも含めて、「それがわたしの創作活動だ」と開き直った方がましだったのではないかと言いたくなります
美人作家として北条裕子を売り出し、商売をしようと企てた講談社は、自らの判断ミスによって、墓穴を掘ってしまった感があります

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