芥川賞候補作で盗作問題 北条裕子「美しい顔」
最近、取り上げる機会も減った芥川賞・直木賞ですが、今回は作品の質よりも盗作問題でメディアの注目を集めています
群像新人文学賞を受賞し、芥川賞候補にノミネートされた北条裕子の作品「美しい顔」の文中に、他の著作の記述がそのまま引用されている箇所がある(これを盗作と呼びます)と、報じられています
第159回芥川賞候補作になっている新人作家、北条裕子さん(32)の小説「美しい顔」(「群像」6月号掲載)の文章表現が、別のノンフィクション作品などと類似した点が複数あるとして、「群像」を発行する講談社(東京)はおわび文を7月6日発売の最新号に掲載する方針を決めた。類似点がある作品をはじめ、参考文献を改めて明示するという。関係先には既に謝罪した。芥川賞の選考会は同月18日に開催。賞を主催する日本文学振興会は「現在対応を検討中」としている。
講談社などによると、2011年の石井光太さんのルポルタージュ「遺体-震災、津波の果てに-」(新潮社)に似ていた。「美しい顔」の遺体安置所の場面描写では「その横に名前、身長、体重、所持品、手術跡といったことが書いてある」などと似た表現がある。またその後の警察官の「今日までに見つかっている遺体はこれがすべてです」という言葉も同じだった。
講談社内の確認で類似点が発覚した。同社の編集者は「新人作家の作品に対して確認不足だった」としている。
石井さんは謝罪を受けたことを明かした上で、新潮社を通じて「誠意ある対応を望んでいます」とコメント。同社編集部は「参考文献として記載して解決する問題ではない。修正を含め、引き続き対応を求めていく」という。
「美しい顔」は東日本大震災被災地が舞台で、肉親を失った女子高生の一人称の物語。公募の群像新人文学賞受賞作として掲載され、北条さんのデビュー作にあたる。
新人賞選考会や多くの評論で「震災を真正面から描いた」などと絶賛されている。北条さんは震災の被災地には行ったことがないと説明していた。
(毎日新聞の記事から引用)
ちなみに今回の芥川賞、直木賞の候補は以下の通りです
【芥川賞】古谷田奈月「風下の朱」▽高橋弘希「送り火」▽北条裕子「美しい顔」▽町屋良平「しき」▽松尾スズキ「もう『はい』としか言えない」
【直木賞】上田早夕里「破滅の王」▽木下昌輝「宇喜多の楽土」▽窪美澄「じっと手を見る」▽島本理生「ファーストラヴ」▽本城雅人「傍流の記者」▽湊かなえ「未来」
「群像」の編集部が矢面に立つのは理解できるものの、北条裕子のコメントがないのは不可解です。問題の盗作箇所を削除するなり、書き換えるなりして作品な成り立つのならば、修正した上で出版するのもありでしょう
それでも、都合5つの著作物から無断引用が発覚しており、多すぎます
さらに、芥川賞候補となれば当然、審査に影響を及ぼすのであり、盗作部分を放置したまま俎上に載せるのはいかがなものか、と思ってしまいます
北条裕子は青山学院大学第二経済学部卒で東京在住、CMのモデルにも起用されたとかで、なかなかの美女のようです。講談社とすれば大型美人作家として売り出す狙いがあったのかもしれませんが、出足で躓いてしまいました
作品の価値よりも、「盗作」として云々されるようでは読者がついてきません
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