千葉ベトナム女児殺害を考える 死刑求刑

昨年3月、千葉県松戸市立六実第二小3年のレェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9歳)が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた渋谷恭正被告(47)に対する裁判員裁判の論告求刑公判が開かれ、検察側「犯行は冷酷、残忍、悪質で結果も重大。更生の可能性はまずない」と指摘し、渋谷被告に死刑を求刑しています
判決は7月6日に言い渡される予定であり、注目されます。神戸の女児殺害事件では一審で死刑判決を下したものの、控訴審では過去の判例に執着し、被害者が1人で死刑判決は重すぎるとの理由で無期懲役に減刑されています


【論告求刑】
検察官 被告に死刑を求刑する。被告が犯人である根拠は、リンさんの遺体の腹部から被告のDNA型が検出された▽犯行に使用された軽乗用車や拘束具からリンさんの血液やDNA型が検出された▽被告の軽乗用車が遺体やランドセルなどを遺棄した現場近くを走行していた-の3点。どこから見ても被告が犯人だ。
被告は昨年3月24日、登校中のリンさんを軽乗用車で連れ去り、車内でわいせつ行為に及んだ。その上で、昼頃までに首をネクタイで圧迫して殺害し、夕方ごろ、遺体を千葉県我孫子市の排水路の橋の下に遺棄した。
被告は落ち度のない児童を連れ去り、陵辱の限りを尽くした。あまりにも悪質で、無期懲役か死刑を選択するのが基本だ。
こんなに卑劣で残忍な事件は、比較できる同種事件も少なく、個別的な判断が必要。本件は、幼い児童が被害に遭った。犯行は極めて悪質で、人としての良心のかけらも見つけられない。
わいせつ行為には計画性があった。事件前日、ともに見守り活動をしていた女性に、「明日は見守りに行けない」と伝えていた。また、殺人については計画性を認められる証拠はないが、わいせつ行為をすれば簡単に犯人が分かってしまうことにかんがみると、殺人についても計画性があることに匹敵する悪質さがある。
【最終弁論】
弁護人 渋谷被告は犯人ではなく、無罪だ。検察側はDNA型鑑定を証拠とするが、それ以外に被告が犯人と裏付ける理由がない。DNA型鑑定も誤りなく行われたとは言い切れない。特に、昨年4月11日、同じ研究室でリンさんの遺体から採取した試料と、被告のたばこの吸い殻の鑑定が行われ、人為的過誤で混入した可能性を否定できない。DNA型鑑定も万能ではない。
また、世間の関心が高い事件で千葉県警は速やかな犯人検挙が求められる中、遺体遺棄現場を走行していた被告は犯人と仕立て上げるのに都合が良かったのではないか。
【最終陳述】
渋谷被告 私は無実無罪だ。検察側の主張は架空で、証拠は捏造(ねつぞう)だ。非常に腹立たしい。(起訴勾留中に受けたレーザー治療で右目を失明し)目が見えないので、被害者の態度も見えなかった。私のことを信じて待っている子供2人のためにも、公正な判断をお願いします。
(産経新聞の記事から引用)


公判廷で証言に立ったリンさんの母親は、衝立越しに発言をしていたので被告席から姿は見えなかったのですが、発言中の嗚咽は渋谷被告の耳に届いていたはずです
それに反応しなかったのは渋谷被告の冷酷さの現れでしょう。しかし、「目が見えなかった」とすり替え、レーザー治療のせいだと責任を転嫁する様には唖然とします
前にも指摘したように、渋谷被告側は「無罪」だとするアリバイや目撃者をまったく挙げることができません。せいぜい、「DNA鑑定は誤りか、故意に渋谷容疑者のDNAを混入させた疑いがある」と言いがかりをつけるだけであり、反証には程遠い現状です
有罪を認め、情状に訴え、遺族への謝罪の意思を示したなら無期懲役の求刑もあったのでしょうが、渋谷被告は1ミリも自分の責任を認める気はないのが分かります
検察の論告ではわざわざ、「残忍な犯行であり、個別の判断が必要だ」とし、「過去の判例にとらわれることなく被害者が1人のケースであっても死刑が適応されるべきである」と主張しています
9歳のこどもがなぜ、このような惨たらしい目に遭い、殺害された上で遺棄されたのかを考えれば、死刑以外の判決はないはずです

(関連記事)
千葉ベトナム女児殺害を考える その後の渋谷被告
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/504013770.html
千葉ベトナム女児殺害を考える 7千万円の賠償命令
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202109article_45.html
千葉ベトナム女児殺害を考える 控訴審も無期懲役判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202103article_41.html
千葉ベトナム女児殺害を考える 控訴審判決は3月
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202102article_20.html
千葉ベトナム女児殺害を考える 控訴審でも無罪主張
千葉ベトナム女児殺害を考える 控訴審は9月に
千葉ベトナム女児殺害を考える 無期懲役判決
千葉ベトナム女児殺害を考える 「面倒くさい事件と思った」発言
千葉ベトナム女児殺害を考える 釣りの準備をしていたと否認
千葉ベトナム女児殺害を考える SM用手足錠で拘束した
千葉ベトナム女児殺害を考える 初公判で全面否認
千葉ベトナム女児殺害を考える 渋谷被告のこどもは養護施設に
千葉ベトナム女児殺害を考える 殺人罪で起訴
千葉ベトナム女児殺害を考える 軽乗用車から尿反応
千葉ベトナム女児殺害を考える 殺人容疑で再逮捕
千葉ベトナム女児殺害を考える 車からDNA検出
千葉ベトナム女児殺害を考える 他の少女殺害と比較
千葉ベトナム女児殺害を考える 渋谷容疑者の母親
千葉ベトナム女児殺害を考える 未解決少女殺害事件
千葉ベトナム女児殺害を考える 渋谷容疑者に別の女児殺害の疑い
千葉ベトナム女児殺害を考える 渋谷容疑者に前科あり
千葉ベトナム女児殺害を考える PTA会長を逮捕
千葉ベトナム女児殺害を考える 目撃証言なし
千葉ベトナム女児殺害を考える 元刑事の推理
千葉ベトナム女児殺害を考える 不審人物の映像
千葉ベトナム女児殺害事件を考える 全裸で遺棄
神戸小1女児不明事件 容疑者逮捕
神戸小1女児不明事件 死刑判決
女児誘拐殺人犯小林薫 死刑執行
ベビーシッタ-殺人 ペニスに執着したペドフェリア
ベビーシッター殺人 無期懲役求刑
今市女児殺害事件 犯行の状況
未解決の誘拐殺人 城丸君事件(1984年)
女児2人殺害の飯塚事件(1992年)再審なるか?
女児2人殺害の飯塚事件(1992年) 再審認めず


性依存症の治療―暴走する性・彷徨う愛
金剛出版

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 性依存症の治療―暴走する性・彷徨う愛 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのトラックバック