19歳警察官が上司を射殺 不適格者を採用するなと社説

19歳の巡査が交番で上司である巡査部長を射殺した事件について、読売新聞が社説で、どうしてこのような不適格な人間を採用してしまったのか」と警察組織の責任を問う意見を掲げています
ざっと読めば、この社説の主は人事を担当した経験もなく、新人教育に携わった経験もなく、ただ「けしからん」と叫んでいるだけのオヤジだと分かる内容です
大西智博容疑者の犯行を批判するのは当然ですが、新人警察官が上司に銃を向けた事実を冷静に受け止めれば、上司の教育の失敗に帰結します
亡くなった巡査部長は正義感が強く、厳格な人だったと報じられています。ただし、厳格なだけでは19歳の巡査を教え、導けないという現実にこそ目を向けなければなりません


警察への信頼を根底から揺るがす事件だ。言語道断である。
滋賀県警彦根署の19歳の男性巡査が、殺人容疑で県警に逮捕された。彦根市内の交番で勤務中、同僚の41歳の男性巡査部長を背後から拳銃で射殺したとされる。
使用したのは、公務のために貸与された拳銃だ。
言うまでもなく、警察官の拳銃は、凶悪犯に対峙たいじするために託されたものだ。
犯人の逃走を制するなど、極めて限られた場合にしか使用は許されない。
市民を守るべき拳銃の銃口を同僚に向けた。前例のない事件だと言えよう。警察官としての自覚の欠片かけらも感じられない。
巡査は犯行後、制服姿のままコンビニエンスストアに立ち寄って、口座から現金を引き出し、パトカーで逃走した。
拳銃を持った警察官の逃走が、地域を不安に陥れた。県警が身柄を確保したのは、事件発生の約6時間後だ。巡査は途中で拳銃を捨て、パトカーも乗り捨てた。拳銃が第三者の手に渡れば、新たな犯罪を招く恐れさえあった。
巡査は、昨年4月に警察官として採用された。今年1月、警察学校を卒業し、彦根署に配属された。3月からは、教育係を務める巡査部長と共に交番で勤務していた。
「巡査部長から叱られたので、撃った」と供述しているという。自身が引き起こした結果の重大さを考えれば、あまりにも幼稚な動機に唖然あぜんとする。県警は、巡査の勤務態度に問題はなかったと釈明する。それでは、なぜ凶行に及んだのか。滋賀県の三日月大造知事が、鎌田徹郎・県警本部長に、真相解明などを求めたのは当然である。
警察庁の栗生俊一長官は記者会見で、「厳正に対処し、規律の高い組織の構築に努めたい」と述べている。この機会に、全警察組織を挙げて、同様の犯行を生む土壌がないかどうか点検すべきだ。
警察学校時代の巡査の生活態度なども検証する必要がある。厳しい団体生活を通じて、警察官に必要な知識や技術を教え込む場だが、適性が疑問視されるような行動はなかったのだろうか。
結果として、巡査を採用したこと自体に問題があったと言わざるを得ない。県警の責任は重い。
警察官の志望者は減少傾向にある。採用数を維持するために、選考基準を甘くすれば、不適格者が警察組織に入るケースが増えよう。優秀な人材をどう確保するのか、警察全体の課題である。
(読売新聞の記事から引用)


警察学校でビシバシ鍛えるべきであり、鍛え方が足りなかったのではないか、と言いたげな主張です。警察学校で鍛えれば一人前になるというわけでもなく、現場に配属してみなければ本当の適性の有無など分かりません
そして型にはまったような警察官を量産してところで、それは硬直した組織を産む結果につながってしまい、現在警察に求められている機動性と柔軟性、余剰性を欠いた使えない集合体になるだけでしょう
「優秀な人材をどう確保するのか、警察全体の課題である」などと結んでいますが、現場の人事担当者にすれば「(新聞社の論説委員室でふんぞり返っている人物に)その苦労が分かるのか」と言いたくなりはずです
これは教育現場でも同じで、性犯罪に走る教師の数の多さを見れば、いかに採用段階で人物を見抜くのが難しいかが分かります(いわゆる身体検査の不備、という問題もあるのですが)

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