前橋祈祷師による暴行死事件を考える 懲役9年の実刑判決
今日のニュースは森友学園の文書書き換え一色の様相ですが、そちらについては後日取り上げるとして、本日は前橋の自称祈祷師による幼児暴行殺人の判決が出ましたので、そちらについて言及します
インチキ祈祷師が悪魔祓いと称して、幼児に繰り返し暴行を加え死亡されるという残忍極まりない犯行です。しかし、被告の自称祈祷師中島順聖(せいしょう)こと北爪順子被告には反省の欠片もなく、無罪であり幼児の死と自分は無関係だと主張してきました
なおかつ法廷で北爪被告の弁護人は、「(城田麻雛弥ちゃん)の母親による虐待が死因である」と主張し、遺族を激怒させています
物証の乏しい事件ですが、北爪被告の主導による宗教行為に名を借りた暴行事件であると前橋地方裁判所は認め、悪魔祓いの現場に居合わせた母親の証言は信用できるとして、懲役9年の実刑判決(検察の求刑は懲役12年)を言い渡しています
以下、傍聴した記者の所感です
法廷で繰り広げられた応酬はあまりに空疎だった。
密室で何が起きたのか、どれほどの痛みを感じ、苦しんだのか。いくら問いかけても、城田麻雛弥ちゃんから答えは返ってこない。幼子の命が奪われた事の重大さについて、北爪順子被告は何を思っていたのか。反省の言葉を一度も聞けないまま、6日間の公判は終わった。
証拠は乏しかった。判決を左右したのは5年間の沈黙を破り、麻雛弥ちゃんの母親が口にした証言。検察側は証言は信用できると主張、弁護側は真っ向から否定した。おのずと証言そのものが争点となった。
「悪魔」「先祖供養」「パワー」「封印」…。法廷にはなじまない異様な言葉が飛び交う中、弁護側は「問題提起」としながらも、被害者遺族の面前で、麻雛弥ちゃんの母親が虐待し、死に至った可能性に言及した。母親の証言から綻びを露呈させようという戦術だが、遺族にとっては「二重の苦しみ。名誉を害され侮辱された」(検察側論告)といえる。
北爪被告は終始憮然(ぶぜん)とした表情で、検察官や証人をにらんでいたが、自らが証言台に立つと突如、涙声で訴えた。「本当にやってないんです。分かってください」。
だが、麻雛弥ちゃんの墓前を訪れたと証言した際、何を祈ったのか問われると言葉に詰まっていた。母親の証言は虚偽であるとして、弁護側は即日控訴した。
(産経新聞の記事から引用)
判決後、裁判員が取材に応じ、「北爪被告に悪魔がどのように見えていたのか、そこの辺りを語ってほしかった」と発言しています
しかし、北爪被告が祈祷師として霊能力があったか、否かについては公判前に争点整理の時点で、検察側も弁護側も争わないと決めたのでしょう
霊能力があると立証するのも困難ですし(数々の信者を証人喚問し、証言させるのは可能ですが、裁判が長引きます)、霊能力がないと立証するのも困難です
それより裁判の争点を北爪被告による暴行によって死に至らしめた、との1点に絞り込むことで双方合意したのであり、妥当な判断だったと思います
弁護人は控訴審でひっくり返してみせる、と意気込んでいるのかもしれませんが、無罪を立証するのは困難でしょう
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