中野劇団員殺害事件 戸倉被告に無期懲役求刑
２０１５年８月、東京都中野区のマンションで劇団ふりぃすたいるに所属していた加賀谷理沙さん（２５）が殺害される事件があり、福島県生まれの戸倉高広被告（３９）が殺人と強制わいせつ致死などの容疑で起訴された事件を取り上げます
殺害された加賀谷さんは戸倉被告と面識はなかったとされ、自宅マンションへ帰ったところを戸倉被告に押し入られ、殺害されたと考えられます
本件では戸倉被告が解離性人格障害であるとされ、責任能力が問題視されました逮捕当時、戸倉被告は犯行を否認していたものの、その後は「男の声で、悪魔がうつるから早く倒せ、と命じられた」と申し立て、殺害した事実は認めています
さらに加賀谷さんの着衣を脱がせ全裸にしたのは、「嫌がることをすれば息を吹き返すと思い、胸のあたりを軽く舌で触れた」などと主張した上で、わいせつ目的ではなかったと起訴内容の一部を否定していました
東京都中野区のマンションで平成２７年８月、劇団員の加賀谷理沙さん＝当時（２５）を殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた無職、戸倉高広被告（３９）の裁判員裁判の論告求刑公判が２６日、東京地裁（任介辰哉裁判長）で開かれた。検察側は「面識のない被害者に対する通り魔的な犯行」として無期懲役を求刑。
弁護側は懲役１７年程度が相当と主張して結審した。判決は３月７日。論告に先立って加賀谷さんの父が意見陳述し、「理沙は役者の夢をかなえることも、大好きな卵かけご飯を食べることもできなくなった。極刑でないと家族や親族の恨みを晴らせない」などとして死刑を求めた。
戸倉被告はこれまでの公判で「『悪魔がうつる』『早く倒さないと』という声が聞こえ、従ってしまった」などと述べ、わいせつ目的を否定。強制わいせつ致死罪は成立しないと主張していた。
最終意見陳述では「罪を繰り返さないことを誓い刑に服します」と述べた。
（産経新聞の記事から引用）
起訴前の精神鑑定で戸倉被告の責任能力に問題はないとされたのですが、弁護側は幻聴や幻覚の影響で事件を起こしており、懲役１７年くらいの寛大な判決を求める、と主張しています
実際、戸倉高広被告の解離性人格障害がどの程度のものであるか、判断はできませんが、事件の前後には福島から東京にバスで移動し、都内の賃貸マンションの契約を解除し、役所で転出手続きをし、荷物をまとめて引っ越しをして福島へ戻るという行動をしているのですから、日常生活に支障をきたすほど深刻な障害であるとは思えませんし、犯行時だけ都合よく心神耗弱状態にあったとするのも無理があります
殺害後、衣服を脱がせたのもわいせつ行為が目的であって、悪魔のささやきは創作ではないのか、と勘繰りたくなります
戸倉被告は福島県生まれで、家は祖父の代から会計事務所を営んでおり、比較的裕福だったといわれます。東京へは公認会計士か税理士の資格取得の勉強のため出てきたようですが、資格取得はならずアルバイトなど転々としていた…との情報があります
大学に在学していたのか、専門学校だったのかは不明です
犯行当時で既に３０代半ばですから、資格取得のために頑張っていたとは思えず、落ちこぼれて実家にも戻れないままアルバイトで食いつないでいたのでしょう
あるいはこの現実と理想のギャップに心を病んでしまった…と考えられなくもないのですが、そこに踏み込むような報道は見つかりませんでした
来月の判決では、無期懲役から割り引いて（解離性人格障害という負因を考慮し）、懲役２５年くらいが言い渡されるのではないか、と推測します
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