老人ホーム３人転落死　今井被告の初公判: 夾竹桃日記

2018年01月24日

老人ホーム３人転落死　今井被告の初公判

川崎市の老人ホームで３人の老人をベランダから落し殺害する事件が起きたのは、２０１４年です。殺人容疑で起訴されている今井隼人被告の公判が、ようやく始まったと報じられています

今井被告は３件の殺人との関わりを否認しており、裁判員裁判を前にした争点整理が異常に長引いたとも伝えられており、公判の展開が気になるところです

３人の老人とも高齢であり、自力でベランダを乗り越えるのは困難と推測されるため、当直勤務に就いていた今井被告の犯行であるのはほぼ確実です。部外者が老人ホーム内に侵入して犯行に及びとは考えられません

物証の乏しい事件であるため、検察側がどう立証するのか注目しましょう

川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Ｓアミーユ川崎幸町」（現そんぽの家川崎幸町）で二〇一四年、入所者の男女三人をベランダから転落させて殺害したとして、三件の殺人罪に問われた元職員今井隼人（はやと）被告（２５）の裁判員裁判の初公判が二十三日、横浜地裁（渡辺英敬裁判長）で開かれた。

今井被告は三件とも起訴内容を否認し、「いずれの事実についても何もやっていません」と無罪を主張した。

検察側は冒頭陳述で、死亡した三人は自力でベランダを乗り越える身体的能力はなく、殺害できたのは三人が転落死した日に勤務していた今井被告だけだと主張。その上で、十一月に丑沢（うしざわ）民雄さん＝当時（８７）＝が転落死した後、十二月に転落死する仲川智恵子さん＝同（８６）＝と浅見布子（のぶこ）さん＝同（９６）＝について同僚に「次に飛び降りる」などと発言したり、「自分は死に神かもしれない」と語ったりしていたと明かした。

また、今井被告が一六年二月に殺人容疑で逮捕される約一週間前、県警の任意の事情聴取に「三人から依頼を受けて投げ落とした」と初めて関与を認めたと主張。さらに、母親に電話して「ストレスが爆発し、自ら転落させた」と動機も語っていたとした。

これに対し弁護側は冒頭陳述で、死亡した三人は施設内を徘徊（はいかい）したり自殺をほのめかしたりしており、事故や自殺の可能性は否定できないと主張。「取り調べに当たった警察官から『事実を話すまで帰れない』『母や妹をマスコミから守る』と言われ、虚偽の自白をした」とした。また今井被告は発達障害のため、仮に今井被告の犯行だとしても完全な責任能力はないとも述べた。

公判はほぼ週四回のペースで計二十三回開かれ、三月一日に結審し、三月中に判決が言い渡される見通し。

（東京新聞の記事から引用）

弁護士は被告を弁護するのが仕事ですから、そのためにはあらゆる法廷戦術を駆使するものです

となれば、「仮に今井被告の犯行だとしても（発達障害だから）完全な責任能力はない」との弁護側の主張は随分と弱腰に聞こえます

３件の殺人を否認する今井被告と、「仮に…」と犯行の可能性を暗に認める弁護側との間には開きがあり、必ずしも思惑が一致していないのでしょう

事件の概要からすれば今井被告以外に犯人はいないと考えられるので、弁護側は最悪の事態を踏まえて上で、今井被告の犯行であったとしても責任能力を盾にして死刑判決だけは阻止しようと予防線を張っていると推測されます

裁判官、裁判員が今井被告の犯行だと判断を下せば、とことん犯行を否認する彼の態度は「まったく反省していない」と見られるのですが、そこは「発達障害なので意思疎通に難があり、自分を守る術として犯行を否認するしかなかった」とでも取り繕う

のでしょうか？

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