つくば路上刺殺事件 18歳少年裁判で犯行認める

昨年7月、茨城県つくばみらい市の川で女性の遺体が発見され、高校2年生の男子生徒が殺人の容疑で逮捕される事件がありました
家庭裁判所は少年を検察官送致にしたため、水戸地方裁判所の裁判員裁判で刑事責任が問われる展開になっています
12月15日に初公判が開かれたとの報道を受け、この事件を取り上げる気になったのですが、順番としてまずは事件当時の報道から振り返ってみます


茨城県龍ケ崎市の川で5日、同県牛久市上柏田の職業不詳、進士康子さん(42)の遺体が見つかり、茨城県警は6日、死体遺棄の疑いで同県つくば市の県立高校2年の少年(16)を逮捕した。
少年は5日夜、両親に付き添われて県警つくば中央署に自首した。調べに対し「一人で殺害して遺体を川に捨てた」と容疑を認めている。女性との面識はないとみられる。県警は、殺人容疑も視野に犯行の動機や状況などを調べる。
逮捕容疑は6月30日、龍ケ崎市佐貫町の西谷田川に進士さんの遺体を遺棄したとしている。
県警によると、進士さんは、遺体が見つかった川の近くの路上でアイスピックのようなもので刺されたとみられ、背中に複数の傷があった。遺体は発見時、損傷が激しく頭部など一部は白骨化していた。
進士さんは父親の勝也さん(76)と2人暮らし。勝也さんは取材に対し、「少年に心当たりはない。まさかこんなことになるなんて。仕事をしておらず、人との付き合いもあまりなかった。どうしてそうなったのかなと思う」と声を落とした。勝也さんは進士さんがいついなくなったか把握していなかったという。
近所の住民らによると、進士さんは母親を早くに亡くした。70代の男性は「誰かとトラブルになっていたという話は聞いたことがない」と話した。
進士さんの遺体は5日午後4時ごろ、散歩中の男性(71)が同川にあおむけで浮いているのを発見し110番通報していた。発見時は青の半袖Tシャツと青のジーパン姿で、靴は履いていなかった。
(産経新聞の記事から引用)


話が前後しますが、公判での検察側の起訴状朗読によれば、被害者である進士康子さん=当時(42)の遺体にはフィッシュピックによる刺し傷が頭や背中、あごなど計70カ所もあり、傷の一部は肺に達していたとあります
フィッシュピックを1度刺しただけでは致命傷になりませんので、70回も繰り返し刺し続けるという執拗な犯行だったと分かります
強い殺意があったとも言えますが、こうした執拗なまでに刺し続ける行動は発達障害を抱えたこどもの特徴の1つであり、怒りに任せてドアを50回でも60回でも蹴り続ける…という反復行動がしばしば観察されます
逮捕された少年は高校2年生で、成績は優秀だったと報じられています。が、成績が優秀という面ばかり強調され、本人の抱える発達障害の面が見過ごされているのではないか、との気がします
別の報道では、自宅から少年の怒鳴り声と制止しようとする母親の叫び声が聞こえることもあったとされ、家庭内の問題行動があったとうかがえます
長くなりますのでここで一旦終了し、次回は少年の内面に踏み込んでみましょうとはいえ、未成年者の事件であるため、情報は極めて限られているのですが

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