髪の黒染強要で生徒が不登校 大阪府立懐風館高校

一時期は髪を茶髪や金髪に染める高校生がいましたが、現在はどうなのでしょうか?
文春オンラインでは大阪府立の公立高校で、生まれつき髪が茶色がかっていた女子生徒に黒く染めるよう強要したため、当該生徒が不登校になったと報じています
大阪府立懐風館高校では金髪の留学生にも、「黒く染めろ」と強要していた過去があると発覚し、海外のメディアが取り上げる事態に至っています


大阪府立懐風館高校(羽曳野市)の3年生の女子生徒が、生まれつき茶色い頭髪を黒く染めるよう学校から強要され精神的苦痛を受けたとして、大阪府を相手取り約220万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。
社会部記者が語る。
「訴えによれば、女子生徒は学校側から髪を黒くするよう指導され、昨年9月には4日に1度、黒く染め直して登校していましたが、教師に『アウト~』、『黒くしないなら学校に来る必要はない』などと言われた。文化祭や修学旅行への参加も認められず、旅行のキャンセル料も請求された。母子家庭の生徒に対し、担任が『家庭環境の変化の際に、両親の気を引きたくて頭髪を染めたのか』とも。
その後、女子生徒は不登校となり、母親は弁護士を交え学校側と協議。ところが今年4月、登校を試みるとクラス名簿には自分の名前がなく、席もなかったそうです」
原告代理人の弁護士が語る。
「学校側は指導の理由を、『茶髪の生徒がいると学校の評判が下がるから』だと言いました。金髪の留学生でも黒く染めさせるとのことです。幼少の頃から髪の色が明るかった証拠写真も示しましたが、学校側は『1度黒く染めていた生徒は続けるのがルール』という言い分。女子生徒は中学時代から髪を黒く染め、高校入学時の生徒証の写真撮影の際、教諭に『茶色ではダメ』と言われたためその後も染色を続けていた。ですがそのせいで頭髪がボロボロになって逆に色素が抜け、2年生の夏休みの登校日に少し茶色に染め直してきたところ、教師に厳しく問い詰められ、帰宅後、過呼吸に陥りました」
(中略)
この件は米ニューヨーク・タイムズでも報道された。週末、同校を訪ねると、抗議の電話がひっきりなしに鳴っていた。同校の教頭が答える。
「現在、府の教育委員会と相談しており、原告の生徒と被告である府側に見解の相違があり係争中ですので具体的なことはお答えできません」
そこまで黒髪に拘泥する教育上の意義とは?
(文春オンラインの記事から引用)


別の記事では取材に応じた教頭が、「裁判所の判断を仰ぐ」と述べており、自分たちが生徒よりも校則を優先する姿勢にいささかも疑問を感じていないのが伝わってきます
しかし、裁判所の判断を仰ぐかどうか決めるのは大阪府教育委員会であって、懐風館高校の校長や教頭ではありません
ともあれ、「自分たちの指導は間違っていない」と揺るぎない自信を示しているのは明らかです
お約束のように、「学校の指導は正しく、何の問題もない。生徒の方に問題があった」との意見をインターネットの掲示板に執拗に書き込んでいる人がいます
事態を複雑化させたのは女子生徒とその親だ、と言いたいのでしょう
まるで懐風館高校の教師の考えを代弁するかのようであり、笑ってしまいました
ここまで愚かな懐風館高の教師たちの考えに賛同できる感覚の持ち主がいるのですから、世の中には変わった趣味・嗜好の人物がいるのだな、と
以前、NHKの番組が生活保護を受けている「母子家庭の貧困」を放送で取り上げたところ、この女子高生が本当に貧困なのかと疑い、否定する意見がインターネット上に溢れた事件がありました
離婚した女性が十分な養育費を受け取れることができず、子育ても生活も難しい状況に追い込まれている現実があるのはいまさら言うまでもありません
報道された内容を裏読みし、「事実は逆だ」と指摘して何かを看破したごとく振る舞いたい人、意識高い系を誇りたい人たちがいて、虚偽の情報を流し、その嘘を真実であるかのように主張する…
話を戻しましょう
外国から受け入れた留学生にも、「髪を黒く染める。でないと、授業に出席させない」と迫る懐風館高校の教師たちの考え方が、いかにズレているか裁判所の判断を待つまでもありません
しかし、教師たちは自分たちの指導こそ正義である、と信じて疑わないのですから裁判の場でとことん糾弾される必要があります
指導という名の暴力であり、授業を受ける機会を不当に奪ったのですから
もちろん、全国の高校、中学には理解不能な校則を墨守しているところが数多く存在しているのでしょうから、そんな因習を改める機会になってほしいと思います(無理でしょうけれど)

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