座間9人殺害事件を考える 犯行自供も動機は語らず
座間市のアパートで男女9人を殺害し、遺棄した事件の続報です
逮捕された白石隆浩容疑者は田村愛子さん殺害の手口について、詳細な供述をする一方で、動機については沈黙を貫いていると報じられています
白骨化した遺体からは殺害の手段などは掴めず、すべては白石容疑者の供述に依存する形となるため、立証という点では非常に脆弱です
いまのところ白石容疑者は自分が手を下して殺害したと認めており、「自殺を手伝っただけ」などと主張して殺害を否定し、自殺ほう助罪へ逃げる構えは示していません
しかし、裁判の場で供述をひっくり返す可能性もあるだけに、犯行を裏付ける具体的かつ詳細な供述を得ようと、捜査関係者は神経をとがらせていると思われます
神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件は20日、警視庁高尾署捜査本部が白石隆浩容疑者(27)を東京都八王子市の田村愛子さん(23)への殺人容疑で再逮捕し、新局面を迎えた。捜査本部は今後、残る8人への殺人や死体遺棄容疑で立件を目指すが、死因特定の難しさや物証の乏しさが立ちはだかる。起訴前には精神鑑定が実施される可能性もあり、起訴・公判に向けた事件の全容解明には越えるべきハードルは多く、捜査は長期化する見通しだ。
捜査関係者はこの事件の焦点を「被害者全員について殺人罪で立件できるか否かだ」と指摘する。
白石容疑者は自殺願望などをツイッターに書き込んでいた被害者らを巧みに誘い出し、犯行に及んでいたとされる。調べに「自殺を本当に望む被害者や殺害に同意した被害者はいなかった」などと話し、殺人罪より刑の軽い嘱託殺人罪や自殺幇助(ほうじょ)罪を否定している。
ただ「動機は話したくない」と供述するなど、全面自白には至っていない。供述が揺れ動いている部分もあるとされ、供述の慎重な裏付けが必要となる。
捜査本部が全被害者について殺人容疑で立件しようとした場合、課題になるのが殺害状況・死因の特定の困難さや物証の乏しさだ。
今回の再逮捕で、捜査本部は殺人容疑を適用したが、捜査関係者は「適用の根拠としたのは、白石容疑者の供述だ」と説明する。
事件では、遺体の損傷が激しく、死因の特定は難航している上、白石容疑者は被害者の携帯電話を破壊したり、被害者とのやり取りの履歴を携帯電話から削除したりしていた。
殺人罪で起訴後、仮に公判で否認に転じた場合、殺人罪を立証できるかは不透明だ。
物証が乏しく公判で否認した場合でも、平成17年に栃木県今市市(現日光市)で起きた女児殺害事件のように、取り調べ中に被告が自白した場面を録画したビデオが証拠として採用され、有罪が認定された事例がある。今回の事件でも、捜査本部は取り調べを録画し、供述が覆された場合に備えているとみられる。
(産経新聞の記事から引用)
現時点で白石容疑者の精神障害を疑う要素は皆無ですから、精神鑑定を必要とする理由が分かりません
憶測するならば、動機について語ろうとしないゆえ犯行を繰り返した精神的な力動の解明と、遺体を解体するという特異な行動が死体愛好癖と結びついた結果なのか、専門家の意見を聞くためなのでしょう
日本にネクロフィリアを専門的に研究している人物がいるのかどうか、疑問ですが
日本でも遺体を解体して遺棄する事件は珍しくないものの、それが明らかに性的な興奮を得るための手段と断定できた事件は稀です
島根女子大生殺害事件では、容疑者を特定できたものの既に自殺された後であり、犯行の動機は不明のままです
話を戻して、問題は白石被告が9人の殺害について、時系列的にきちんと記憶しているかどうかでしょう
ツイッターのやり取りなど、日時を特定できる材料があれば、それを手掛かりに記憶を引き出せるとしても、解体した遺体の一部をどこのごみ集積場に遺棄したとか、細部の記憶まで引き出せるかは不明です
個々の被害者に対する特別な思い入れもなく、愛着もなく、ただ解体して遺棄してたのであれば記憶がごちゃ混ぜになっていたりもします
白石容疑者がどこまで事件について語るか、供述だけに依存するというのはいかにも危うい感があります
(関連記事)
座間9人殺害事件を考える 死刑判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202012article_23.html
座間9人殺害事件を考える 死刑求刑
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202011article_45.html
座間9人殺害事件を考える 公判で集中を欠く被告
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202010article_43.html
座間9人殺害事件を考える 初公判の模様
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202010article_1.html
座間9人殺害事件を考える 初公判はまだ
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201910article_14.html
座間9人殺害事件を考える 死刑判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202012article_23.html
座間9人殺害事件を考える 死刑求刑
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202011article_45.html
座間9人殺害事件を考える 公判で集中を欠く被告
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202010article_43.html
座間9人殺害事件を考える 初公判の模様
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202010article_1.html
座間9人殺害事件を考える 初公判はまだ
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201910article_14.html
座間9人殺害事件を考える 類似性ない特異なケース
座間9人殺害事件を考える 白石容疑者の異常性
座間9人殺害事件を考える 連続犯行の理由
座間9人殺害事件を考える 「宮崎勤との共通点」と書く週刊朝日
座間9人殺害事件を考える 快楽殺人説
座間9人殺害事件を考える 犯罪心理学者の見解
座間9人殺害事件を考える 被害者8人が女性
座間9人殺害事件を考える 白石容疑者逮捕
ススキノ首なし遺体 事件から2週間も逮捕できず
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/500045662.html
ススキノ首なし遺体 被害者の素顔
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499982785.html
「切り裂きジャック」事件 125年目の真相
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/500045662.html
ススキノ首なし遺体 被害者の素顔
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499982785.html
「切り裂きジャック」事件 125年目の真相
「切り裂きジャック」研究者が売春婦殺害で逮捕
「切り裂きジャック」殺人 売春婦を殺害する理由
「切り裂きジャック」殺人 似ているようでまったく違う犯行
英国切り裂きジャック殺人 グリフィス被告のその後
現代の切り裂きジャック事件に終身刑の判決 英国
自分を捨てた父親を探したら殺人鬼だった 「ゾディアック事件」
熊谷6人殺害事件を考える1 容疑者の兄も大量殺人犯
ロサンゼルスの殺人鬼「グリムスリーパー」事件続報
ロサンゼルスの殺人鬼「グリムスリーパー」に死刑判決
殺人道化師ジョン・ゲーシーの数奇な人生
アメリカの連続殺人 捜査・介入が後手回ると
アメリカで黒人を狙った連続殺人犯逮捕
実在した殺人鬼を描く映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」
ロシア政府が米映画「チャイルド44」を批判、上映禁止
新潟連続強姦殺人事件を考える1 初公判で否認
愛犬家殺人の関根死刑囚 拘置所で病死