ロリータモデル・青木美沙子の心意気
当ブログでは過去にも、日本発のロリータファッションが海外に衝撃を与えている、と取り上げました
しかし、2009年に外務省が日本のポップカルチャーを海外に伝えるのを目的に「カワイイ大使」としてロリータファッションモデルの青木美沙子を任命した際、「また変なことを始めたな」と呆れたものでした
しかし、彼女の活躍を見れば当時の自分の認識がいかに浅薄なものであったかは明らかであり、恥じ入るばかりです。先入観と情報不足のまま、こうと決めつけてはならないのであり…
さて、そのロリータファッションの伝道師青木美沙子について、彼女自身のルール(と言うより信条と表現するべきでしょう)に触れたテレビ番組が反響を呼んだ、と伝える記事があるので取り上げます
ロリータモデル・青木美沙子が可愛いだけじゃないと賞賛の声「カッコイイ」「見る目が変わった」
今回の主人公青木美沙子は、高校時代に原宿でスカウトを受けたことをきっかけに、ロリータファッションの読者モデルを16年間続け、34歳となった今でも雑誌の表紙を飾るなど、ロリータファンから絶大な人気を誇るカリスマ的な存在。中世ヨーロッパを起源に、日本で生まれたロリータ文化を伝える伝道師として活躍する中で、2009年に外務省から“カワイイ大使”に任命され、世界25か国、45都市を訪問。その人気は日本だけにとどまらない。一方で日本ではロリータに対する偏見もあり、街中ですれ違いざまに「何その格好」、「頭おかしい」と悪口を言わることもあるなど、偏見の目に悩まされているという。そんな彼女のルールとして下記の7つが紹介された。
1.大事な日はパニエを増やす
2.ロリータ服は日傘の上で干す
3.男ウケは気にしない
4.看護師は辞めない
5.ロリータ服を着て走らない
6.ロリータの誘いは断らない
7.偏見に負けない
1つ目にあるパニエとは、スカートに膨らみをもたせるロリータファッションの必需品。お茶会やイベントなどがある日には、パニエを多く身につけて気合いを入れるという。
2つ目に、ロリータ服を綺麗に干すための方法を紹介。そして3つ目の「男ウケは気にしない」というルールでは、「男性的にはちょっと引いちゃうファッションだとは思う」と自覚しながらも、「モテファッションとして着ているのではなく、自分が着たいから着てる」とその信念の強さを明かし、ロリータファッションと違い体のラインが出るのが苦手なのでGパンやTシャツといったカジュアルなファッションは持っていないと語った。
そして、スタジオでは4つ目のルール「看護師を辞めない」が話題に。青木が看護師を目指したのは、モデルになるより以前のこと。海外ドラマを見て看護師に憧れた青木は、医療系短大を卒業し、以前から目標としていた正看護師の資格を取得。最初は大学病院で働いていたが、モデル業との両立が辛くなり、現在は月の半分ほど、訪問看護師として働いている。
私服がロリータファッションの青木だが、看護師として働く際は「スカートでは働きにくい」と苦手なパンツスタイルで、ポロシャツなどを着て仕事に臨む。青木は、「ナースの仕事は人と人との関わりがモデルの仕事よりも濃くて、現実味があるというか、そういう自分もないと精神のバランスが安定しない。そういうこともあって、絶対にナースの自分でいようと決めていました」と両立へのこだわりについて語った。
(中略)
さらに最後のルール「偏見に負けない」では、冒頭で紹介されたような心ない中傷があることに触れ、「なかなか市民権を得ていないかなと思います」と語りつつも、「自分が好きって思うファッションをずっと着続けることが大事だなと考えているので、いくつになってもロリータファッションを ずっと着続けたい」とコメント。さらに、辞められない理由として「私が辞めたらそれ以上の年齢の人が着ちゃイケナイとなるから、自分が(年齢の)上限を上げていく」と語り、本谷も「自分だけのロリータじゃないんだ。背負っているんだね」と頷くなど感銘を受けたようだ。
趣味に溺れるでもなく、現実に流されるでもなく、芯のある生き方をしている女性というのは魅力があります
彼女のような立場なら看護師を辞め、タレント稼業に移行しても不思議ではないのですが、看護師であり続けようとの決意は正直驚きました
カリスマとの表現が適切なのかどうかは分からないものの、You Tubeにある青木美沙子の公式チャンネルの動画はどれも再生回数が数千台であり、決して多くありません
ヒカキンとかのおバカな動画が数百万の再生回数を誇っているのに比べれば、あまりに地味な反応です
「市民権を得ていない」と考えるよりは、ロリータファッションの愛好者が絶対的に少ない証しと考えられます。が、彼女はそれを気に病んだりはせず、これからも伝道師であり続けるのでしょう
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