大分竹田高校体罰死事件を考える 顧問の独善
２００９年８月、大分県竹田高校において夏休み期間中の剣道部の練習で部員が熱中症になり、死亡する事件がありました
水分補給も許さず部員をしごき、倒れたところを蹴り付け、壁に叩きつけ、馬乗りになって平手打ちを加えた顧問の教師坂本忠文に問題があったのですが、結局坂本は短期間の停職処分を受けただけです。県側は教壇には立たせられないと判断したのか、その後は大分県立香々地少年自然の家に勤務をしています
県指導主事との肩書ですから、これは栄転なのでしょうか？
剣道部の稽古で顧問の体罰を受け、熱中症で死亡した工藤剣太さん（当時１７）。当時の顧問の責任を問う裁判で、異例の判決が下されました。
「どれだけこの日を待ち望んだか分かりません」（亡くなった剣太さんの母、工藤奈美さん）
高校では剣道部のキャプテンを務めていた工藤剣太さん。８年前の８月、剣太さんは部活動中に熱中症で倒れ、運ばれた病院でその日の夜、亡くなりました。顧問は「もう無理です」と言う剣太さんに水分補給すらさせず、練習を続けさせ、フラフラな剣太さんを蹴りました。そして倒れた剣太さんに顧問は・・・
「これは演技じゃけん」（顧問）
意識が朦朧（もうろう）としている剣太さんに「演技をするな」と、平手打ちを繰り返したのです。
同じ高校の剣道部だった弟の風音さん（２３）は・・・
「上下関係があったので先生に対して刃向かうことは絶対できない状態で、あのとき俺が止めとったら、剣太は死なずに生きていたやろうし」（亡くなった剣太さんの弟、工藤風音さん）
同級生も８年間、辛い思いを抱え続けてきました。
「やっぱりつらい、何年たっても」（剣太さんの同級生）
剣太さんの両親は顧問の責任を問うため提訴。裁判では県などにおよそ４７００万円の支払いを命じる一方、顧問個人は責任を負わないとの判決が最高裁で確定しました。
「なんで校門の中で先生が生徒に対してやったら、おとがめがないんですかってことですよ」（亡くなった剣太さんの母、工藤奈美さん）
両親は納得できず、住民訴訟で争うことに・・・。去年１２月、大分地裁は県に対して顧問に１００万円を請求するように命じる判決を下しました。ところが、県は「教員の部活動への携わり方にも大きな影響がある」として控訴。そして２日、注目の判決が・・・。
福岡高裁は「重い熱中症を疑うべき事態であったにもかかわらず、演技と決めつけて指導を続けた顧問には重大な過失がある」として、県の控訴を棄却しました。
「これからの子どもたちを守るための判決かなと思っています」（亡くなった剣太さんの父、工藤英士さん）
「これから先、何をやっても許されるのではなく、ここで自分を抑えなければという抑止力になってくれれば」（亡くなった剣太さんの母、工藤奈美さん）
「大変重い判決だと受け止めております」（大分県の会見）
県は今月１０日、最高裁に上告するかを協議する方針です。
（ＴＢＳニュースの記事から引用）
顧問の管理責任を厳しく問うと、教師は誰も部活の指導に関わろうとしなくなる、と大分県側は懸念しているのかもしれません
しかし、生徒を殺しておいてその責任が短期間の停職処分というのは、間尺に合わないのであり、大分県は坂本忠文を懲戒免職にするべきだったと自分は思います
過去、坂本忠文が勤務してきた学校で同種の体罰を繰り返していたとの指摘もあり、これが「たまたま、偶然」ではなく、体罰を指導と勘違いした愚かな教師が必然的に起こした傷害致死事件と扱うのが当然です（坂本忠文は刑事処分も受けていないのですが）
果たして大分県は坂本忠文に１００万円を請求できるのでしょうか？
学校は決して聖域ではないのであり、生徒に怪我を負わせた場合、死亡させた場合は教師個人が相応の罰を受けるともに、賠償責任を負うのは当然でしょう。強制わいせつなどの性犯罪の場合も同様です
追記：工藤さん両親は大分県に対し、坂本忠文に対して損害賠償の一部、１００万円を請求するよう求める裁判を起こし、大分県側はこの訴えを棄却する求めて争いました。最高裁まで争った結果、工藤さん側の訴えが認められ、坂本忠文に大分県は１００万円の支払いを命じています
それにしても最高裁まで争うとは、大分県はよほど教師個人の責任を追求されるのを嫌がったわけであり、異常に思います
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