埼玉少女失踪事件を考える11 異常発言で判決延期
埼玉県朝霞市に住む女子中学生を拉致し、監禁して逮捕、起訴された寺内華風被告の判決公判が、本人の異常な発言連発で延期になったと報じられています
これまでの公判の場で支離滅裂な発言を繰り返してきた寺内被告ですが、判決言い渡しのために開かれた公判では、さらにひどい状態のようです
が、これは精神に異常をきたした結果なのか、意図的に異常な発言をしているのかは見方が分かれます
奇声あげて入廷…少女監禁・寺内被告の身に何が?
「ここはトイレ」で異例の判決延期、専門家「意図しない形で自己防衛図った」
「職業は森の妖精です」-。静まりかえる法廷に奇声が響き渡った。埼玉県朝霞市の少女(16)を約2年間監視下に置いていた寺内樺風被告(25)=千葉大を休学扱い=が29日の判決公判(さいたま地裁)で入廷直後から不規則発言を連発し、判決言い渡しが延期となった。いったい寺内被告の身に何が起こったのか。専門家が読み解いた。
判決が言い渡されるはずだった傍聴席36席の法廷に、寺内被告は「キエー」と甲高い声で叫び満面の笑みを浮かべながら入ってきた。実在するパチンコ店の名前も叫び、被告席に着く前には「私はオオタニケンジでございます」と別人の名前を名乗り、「イエス、イエス。イッツカミング、ワッツ…」などと話す。
隣にいた弁護人は「まいったな」といった表情を浮かべ、頭を抱えた。
寺内被告は2014年に当時中学1年生だった少女を誘拐、約2年にわたって監視下に置くなどした未成年者誘拐と監禁致傷、窃盗の罪に問われている。
裁判は寺内被告の刑事責任能力が争点となっており、検察側は「自閉スペクトラム症の傾向にあり対人関係に問題があるが、完全責任能力が認められる」と指摘。
弁護側は「統合失調症にかかっており、限定責任能力の範囲で責任が問われるべきだ」と主張していた。
7月の論告求刑公判では「おなかが空きました」と答えるなど、異変をみせることもあったが「今日ほどひどいのは見たことがない」と、初公判から寺内被告を傍聴してきた大手紙記者は振り返る。
その後も、本籍は「和歌山県那智の滝」、職業は「森の妖精です」。ここがどこかという問いに対しては「トイレです。私はおなかが空いています。今なら1個からあげくん増量中」。会話そのものが成立しない。
裁判長が困惑した様子で「ずっとこの調子なんですか」と尋ねると、弁護人は「今朝からこの調子です」と浮かない表情。裁判長は休廷を宣言し、判決言い渡しの延期が決まった。
寺内被告に何があったのか。ヒガノクリニック院長で精神科医の日向野春総氏は「判決が下るという人生の決定的な出来事を前にして、意図しない形で精神的な自己防衛を図ったのではないか。自らの人格を離れ、幼児化する『退行』や、別人格になる『解離』といった現象が起こったと考える。他者との交流で心を鍛える機会を得られなかった若い人はこうした状態になることが多い」と解説し、罪から逃れるための詐病ではないとみる。
(産経新聞の記事から引用)
本籍地を問われて地名を答えており、職業を問われて「森の妖精」だと答えているのですから、質問は理解できているのでしょう
どの程度の異常なのか判断はつきませんが、まったく見当識を失っているのではなく、公判廷であるとの認識もあるようです
上記の記事では精神科医が詐病ではないとの見方を示しているものの、直接診断していないのですから、推測の域を出ません
拘置所を経験したことのない人には理解できないかもしれませが、居室内にはFMラジオ放送が流れており、さまざまなコマーシャルも耳に入ります
からあげくん増量とか、パチンコ店の名前など、FMラジオから流れてきたものが寺内被告の耳の残り、それが口から出た可能性も考えられます
それはともかく、判決を言い渡すべきか否か、裁判官は過去の判例を調べまくっているのでしょう
判決を理解できない精神状態だとすれば、判決の言い渡しを止め、控訴棄却の決定をする例もあります
1995年、愛知県豊田市で神社へ参拝していた男性と孫の2人が、統合失調症の男に刺殺される事件がありました。その後、男は治療を受けるため裁判が中断されたものの、2014年になって「病状に回復の見込みがない」と名古屋地方裁判所岡崎支部が判断し、控訴棄却の言い渡しをしています。もちろん、被告(71歳)は無罪放免で釈放されたのではなく、措置入院になったはずです(精神疾患が認められると無罪放免で野放しにされるという、都市伝説を口にする方がいますので)
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