藤井四段 30連勝ならず
中学生棋士藤井四段の連勝記録でにわかフィーバーが起きていますが、30連勝達成なるかと注目された対局、竜王戦の本戦(決勝トーナメント)2回戦は佐々木勇気五段(22)に敗れてしまいました
これで騒動も一段落、となれば藤井四段も解放され、静かな雰囲気で対局に取り組めるようになるのでしょう
にわかフィーバーの中で目につくのは、「我が子を藤井四段のような天才に育てる方法」と題するような、天才教育のノウハウを伝授するがごとき報道です
指摘するまでもなく、将棋や囲碁を早期英才教育の道具であるかのように扱うのは大間違いなのですが
週刊誌「女性自身」の掲載記事から一部を引用します
連勝新記録樹立の藤井聡太四段「学校行きたくない」で母困惑
史上最年少棋士でデビュー戦以来無敗の藤井聡太四段(14)が6月26日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段(19)に91手で勝ち、歴代単独1位となる29連勝を達成した。
順風満帆にみえる彼の“棋士人生”。実は現在、高校に進学するかどうかで揺れている最中だというのだ——。
「棋士の対局は、遅いと午前1時をまわることもしばしばあります。学業との両立はかなり大変ですから、中学3年生の藤井くんは高校進学を悩む時期でしょうね」(現役棋士)
実際、プロデビュー直前の昨年9月に本誌が“母子インタビュー”をしたときも、母親の裕子さん(47)は、困惑気味にこんな不安を口にしていた。
「大阪ばかりでなく、東京での対局も増えてきます。今はすべての時間を将棋にあてたくて、学校に行く時間ももったいないみたいです。今日も『学校に行きたくない』とブチブチ文句を言っていました。高校進学についてはどうなるのでしょうか……心配です」
棋士は勝てば勝つほど対局が増えていく。今後はますます負担がかかってくることになるということだ。
(中略)
だがいっぽうで、棋力がもっとも伸びるのも高校時代と言われているから難しい選択だ。奨励会(プロ棋士の養成機関)に子供を通わせる母親も、藤井四段の母親と同じく頭を抱えている。
「学校よりも何よりも将棋を優先しなければ強くなれません。でも、将棋で挫折した時のことを考えると、やはり、高校くらいは出ておいてほしいというのが本音です」
我がこの将来を案じる母親にとっては悩ましい問題だが「藤井四段なら大丈夫」という声も多い。
「普段からよく本を読み、毎朝、新聞に目を通しているという藤井くん。そんな彼なら、たとえ高校に満足に通えなかったとしても、勉強は続けるでしょうし、社会性が失われる心配もないと思いますよ」(『ふみもと子供将棋教室』の文本力雄さん)
日本将棋連盟も“藤井シフト”を敷いて、将棋と学業の両立をサポートするという。
「できる限り、対局は土日になるよう調整しています。平日に対局が入ったとき以外はすべて出席しています。授業態度も良好だと聞いています。高校進学に関しては、本人の意思をまだ聞いていませんが、学校へはご理解を求めております」(関西本部の広報担当者)
28連勝を達成した翌日の今月22日、本誌は藤井四段の実家を訪れた。
母の裕子さんに改めて“学業問題”について聞いてみると、「今日もちゃんと朝から学校に行きましたよ」と報告してくれた。将棋と同じく人生の何手も先を読む藤井四段は、果たしてどんな答えを出すのだろうか——。
(以下、略)
プロを目指して奨励会に通う者であるなら、高校進学を諦めるとか、大学進学を諦めるとか葛藤があるのでしょう。しかし、プロになったからには勝負に専念するため、中卒のままで押し通す選択もありでしょう。何もいますぐ高校進学をしないと、その機会に恵まれないというわけでもありません
プロになってから3年後、5年後に高校へ進学してもよいのですから
プロを目指して奨励会に入り、大学進学をあきらめて取り組んだものの年齢制限までに四段に上がれず、奨励会退会を迫られた人は大変でしょう。が、それも自分で選んだ道であり、誰かのせいにはできません
さて、話を戻します
ゴルフの石川遼選手が活躍し、世間の注目を集めた際にもメディアが、「我が子を天才ゴルファーに育てるには…」といった記事が乱舞し、ゴルフスクールがにぎわいました
同様に、将棋教室は通うこどもが増えるのでしょう
しかし、ゴルフをやらせるのも将棋をやらせるのも、親の欲得がらみというのは情けない話です
こどもの頃からゴルフスクールに通わせ、プロを目指すよう親が仕向けているだけではないのか、と
石川遼選手の今、を見ればそんな親の欲望に振り回されるこどもたちが可哀そうに思えてしまいます
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