小樽市3人死亡事故で最高裁判決 懲役22年確定
高齢者が運転する車が暴走し、店や病院に突っ込んで負傷者を出す事故が相次いでいます
こうした事故では、「ブレーキが利かなかった」と釈明する運転者が多いのですが、実態はブレーキを踏んでいるつもりでアクセルを踏むという勘違いに起因しているようです
負傷した被害者にとっては勘違いで済む話ではありません。ましてや命を奪われる事態に至っては、単なる事故ではなく殺人、テロと変わりないのであり、運転者の責任が厳しく問われるのは当然でしょう
さて、2014年に北海道小樽市で起きた飲酒ひき逃げ事故の裁判で、懲役22年を言い渡す判決が出た、と報じられています
北海道小樽市で2014年、海水浴帰りの女性3人が死亡した飲酒ひき逃げ事件の上告審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は18日付で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた札幌市西区、元飲食店従業員、海津雅英被告(34)の上告を棄却する決定を出した。懲役22年とした1、2審判決が確定する。
1、2審判決によると、海津被告は14年7月13日、小樽市銭函の市道で、飲酒の影響で前方注視が困難な状態で車を運転。岩見沢市の会社員、原野沙耶佳さん(当時29歳)ら3人をはねて死亡させ、1人に重傷を負わせて逃走した。
札幌地検は当初、同法違反(過失致死傷)などで起訴したが、遺族らは法定刑がより重い危険運転致死傷罪の適用を求める7万人超の署名を提出。地検が同罪への訴因変更を請求し、札幌地裁が認めた。
被告側は1審で「脇見運転が事故原因」として過失致死傷罪の適用を求めたが、地裁は「時速50〜60キロで走行しながら15〜20秒も手元のスマートフォンを見ており、脇見のレベルをはるかに超えている。飲酒の影響は明らか」と求刑通り懲役22年の判決を言い渡し、札幌高裁も支持した。
3人を死亡させ、1人に重傷を負わせたのですから危険運転致死傷罪を適用するのは当然でしょう
それでも遺族が署名を求める活動をしなかったなら、単なる交通事故として処理され、軽い刑罰で終わっていたかもしれません
危険運転致死傷罪が新設されたものの、警察・検察、裁判所がその適用に消極的であるのは理解しがたいものがあります
前例踏襲、判例重視がすぎる頭の固さゆえか、これでは危険運転致死傷罪を新設した意味がないのであり、困ったものです
さて、最初に戻りますが、高齢者の暴走運転のケースではその事故報道に比べ、裁判結果の扱いが小さいため、運転者がどのような処罰を受けたか、取り上げるのが困難です。毎日報道をチェックしているつもりでも、見過ごしてしまうために
高齢者の暴走運転事故では、運転者の名前すら伏せられた、という扱いも珍しくないのです。これでは記事を検索するのも困難です(愚痴になってしまいました)
これも人権への配慮なのでしょうか?
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