「北朝鮮危機」をあざ笑う姜尚中
雑誌「AERA」が姜尚中の寄稿した文を掲載し、「北朝鮮とまるで開戦前夜であるかのように騒いだ日本の反応こそ異常だ」と批判を展開しています
韓国の大統領選挙を前に、北朝鮮が挑発的な行動を起こすはずはない、とまるで何かを見知っているかのような発言を姜尚中はしているのですが、北朝鮮がこの間に弾道ミサイル発射を頻繁に繰り返した事実は見事に無視しています
都合の悪い事実は棚上げし、自分の妄想だけを垂れ流す態度に「政治学者」の肩書すら胡散臭く感じられます
朝鮮人民軍が創建85周年を迎えた4月25日。日本は、非常事態がいつ起きても不思議ではないという報道や言説がメディアを通じて流され、まるで「開戦前夜」のような異様な空気に包まれました。
しかし、冷静に考えてみれば韓国大統領選挙は目前でしたし、北朝鮮とある意味で平和的な交渉を考えている文在寅(ムンジェイン)氏が最有力候補だったことをみても、選挙前に北朝鮮が自分たちに不利な選挙結果になりかねない決定的な挑発をするとは考えられないはずです。
日本でも、安倍首相の外遊は予定通りという発表が一番の危機とされた25日にされているのですから、報道各社が外遊日程を見極めれば、今回のことがある種のマヌーバー(策略)に近かったということがわかったはずでした。
さかのぼれば、1994年、クリントン米大統領は寧辺(ヨンビョン)の核施設を爆撃するという計画を秘密裏に策定し、中止になった経緯があります。
今回、米国はカールビンソンなどを動員して派手で芝居がかったブラフを演出し、北朝鮮に心理的圧力をかけました。
しかし、94年から比べると北朝鮮の攻撃力は比べ物にならないくらいアップしており、中国の国力も増しています。そう考えると、トランプ政権ができることは外交的手段による解決しかないはずです。
一方、このことで米国のトランプ政権の国内問題や日本の森友問題、共謀罪なども随分とフェードアウトしました。
中国は米国との共同歩調のようなものが出来上がり、北朝鮮は金正恩が国際メディアで自分を売り出す絶好の機会になりました。北朝鮮も米国も中国も日本もみんな丸く収まっているのです。
もちろん北朝鮮がやすやすと核開発を放棄するとは思えませんから、依然として危機は払拭されていませんが、やはり日本であった「開戦前夜」のような報道は異様でした。
ある意味、今回のことで日本の識者やメディアが、どのような反応を見せるのか、シミュレートされたと思います。
戦前、ジャーナリストの桐生悠々は「関東防空大演習を嗤う」と書いています。こんな時こそ、不謹慎といわれるかもしれませんが、「嗤う」気持ちを持たないといけないのかもしれません。
有事に対し、神経質になるのは過敏すぎる反応ですが、「(すべては外交交渉で解決されるのだから)ミサイルなんて飛んでこない」と決めつけるは愚かすぎます
姜尚中の主張こそ、まさにその愚かしさの発露でしょう
そして姜尚中は末文でも、読者を誤った方向へ誘導しようとしています
桐生悠々は「関東防空大演習を嗤う」で、防空演習を無用な空騒ぎと揶揄したのではなく、東京が空襲を受けたならとんでもない大惨事であり、そのような戦争は避けるべきだと警告したのです
そして歴史は桐生の危惧する方向へ進み、東京および日本の主要な都市は米軍の空爆により夥しい数の死傷者を出しました(その犠牲者の多くが非戦闘員であるこどもや女性、老人であったのも事実です)
ですから、桐生は防空演習を笑い飛ばしたり、皮肉ったのではなく、国民の苦難を予測した上で国の行く末を案じ、憂いた人物と見るべきでしょう
「関東防空大演習を嗤う」は以下の内容です
嗤って笑って
(関連記事)
修学旅行土産没収に朝鮮学校が抗議
作家島田雅彦「金正恩に小遣いやれ」発言で炎上
北朝鮮ミサイル発射でも朝鮮学校無償化を叫ぶ人たち
北朝鮮への備え「PAC3」を批判する毎日新聞
「北朝鮮問題は対話で解決」と主張する野党
米軍がシリア空爆 北朝鮮攻撃もあり得る?
金正男暗殺 北朝鮮の冷酷
北朝鮮 叔父をも処刑する金正恩の残忍さ
ミサイル発射で恫喝する北朝鮮は戦略もない?
北朝鮮 「原発を攻撃すれば日本を消しされる」と豪語
北朝鮮が水爆実験と発表
「北朝鮮のミサイルが原発を攻撃」と警告する政治学者
北朝鮮が対日テロ計画 原発襲撃も
北朝鮮ミサイル「解体」情報を巡って大騒ぎをする韓国
北朝鮮がミサイル発射 韓国の反応
北朝鮮ミサイル発射中断 騒ぎを起こし利を求める
北朝鮮 再び弾道ミサイル発射に動く
北朝鮮ミサイル発射 日本政府の対応はまずかったのか?
北朝鮮ミサイル失敗 日本政府はなぜ公表に手間取ったのか?
懲りない北朝鮮 近日中に弾道ミサイル発射を計画
韓国メディア「ミサイル迎撃すると大口叩いた日本」と揶揄する報道
北朝鮮のミサイル失敗 発射直後ばらばらに