台東区放火殺人で高校生逮捕

未成年者が思慮分別を欠き、衝動的に人を殺害する事件はまま起きるものです
だからといって、軽くあつかうべきではなく重大な結果に対しては相応の責任を負わせるのが筋でしょう
東京都江東区のマンションで発生した火災では、火元の部屋の住人である女子高生が死亡し、彼女の交際相手である男子高校生が逮捕されています


今月4日、東京・台東区で高校3年の女子生徒が死亡したマンション火災で、警視庁は、交際相手で同級生の少年が女子生徒を殺害したとして逮捕しました。
殺人の疑いで逮捕されたのは墨田区に住む高校3年の少年(18)で、今月3日から4日の間に、台東区に住む同級生で高校3年の佐藤麻衣さん(17)に暴行を加え、部屋に火をつけるなどして殺害した疑いが持たれています。
少年は佐藤さんと交際していて、今月3日に2人で外出し、午後8時半ごろ佐藤さんを自宅に送り届けたということです。その後、4日の朝に佐藤さんの自宅から火が出て、佐藤さんが意識不明の重体で見つかりました。
逮捕された少年は「煙が出ている」と、自ら110番通報したということです。
「明るくて、剣道を一生懸命頑張っている子」(佐藤さんを知る人)
取り調べに対し、少年は「佐藤さんを殺害しました。首を絞めました。火をつけました」という趣旨の供述をしているということで、警視庁は、2人の間にトラブルがあったとみて調べを進めています。
ゴールデンウィーク期間中に女子高校生が死亡した火災は、通報した交際相手の少年が逮捕されるという急展開を迎えました。警視庁は、佐藤さんの遺体の状況などから当初から佐藤さんが少年に殺害されたとみて捜査を進めていて、少年のけがが回復し退院した今月10日から事情聴取を始めたということです。
少年は、火災が起きた直後には「煙が出ているのを発見し佐藤さんを助けようとした」と説明していましたが、事情聴取に対し、徐々に関与を認め始めたということです。
少年の供述には変遷している部分もあるということで、警視庁は今後、動機の解明などを慎重に進める方針です。
(TBSニュースの配信記事から引用)


動機はともかく、殺害と放火の事実は認めるのでしょう
この事件を報じるニュースサイトのコメント欄には、「少年法があるから凶悪事件が起こる」とか、「少年法があるから死刑にもならず犯罪者がのうのうと生きている」などという書き込みが相次いでいます
「法律(少年法)があるから事件が起きる」との認識は錯誤にもほどがありますし、少年法があっても刑事裁判で死刑判決が下される例があるのも知らないのか、と呆れるばかりです。が、諭しても無駄でしょう
少年事件や刑事事件がどう扱われ、訴訟の結果がどうなるかも理解しないまま、過激な主張をして自己満足に浸っている人物とは議論も成立しません
さて、逮捕された少年は高校三年生で18歳ですから、家庭裁判所から検察官送致となり、刑事裁判を受けるわけです
殺人に放火となれば、10年以下の不定期刑では済まないのであり、懲役15年くらいの求刑になるでしょう
弁護人は当然、未成年者であることを理由に刑罰の軽減を要求するのでしょうし、あるいは何らかの発達障害を抱えていたと述べるのかもしれません
ですが、殺人は殺人であり、放火は放火です。結果の重大性を考えれば刑罰を軽減すべき事情になるとは思えません

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