小金井アイドル刺傷事件を考える 控訴取り下げた被告

小金井市でシンガーソングライターの冨田真由さんを襲い、懲役14年6月の実刑判決を受けた岩崎友宏被告が量刑を不服として控訴していましたが、後に自ら控訴取り下げのと続きをしたと報じられています
その辺りの経緯に触れた記事が「新潮45」の4月4日号に掲載されていますので、一部を引用します


小金井刺傷事件「冨田真由が善人だったら、あんなことにはならなかった」 
犯人からの手紙
2016年5月、東京都小金井市で当時大学生だったシンガーソングライターの冨田真由さんが刺され、重傷を負った事件。殺人未遂の疑いで逮捕された岩崎(旧姓:岩埼)友宏に、今年2月、懲役14年6カ月の判決が下された。
岩崎は判決を不服として控訴した。
それから1カ月経った3月30日、この事件を追っていた傍聴ライター・高橋ユキ氏のもとに一通の手紙が届く。
岩崎友宏本人からの手紙だった。
「控訴取り下げます。覚悟ができました」
そこには、反省の弁が記されていた。
「被害者の供述調書を何度も読み、被害者の苦痛や怒りを知りました」
「とにかく働らきます(原文ママ)。遊ぶ暇はないと思います」
「一生反省。冨田さんの痛みを忘れてはいけないと思います」
高橋氏はこれまで何度か岩崎と手紙をやりとりし、数度面会している。
「新潮45」4月号に掲載された「34ヶ所メッタ刺し 小金井ストーカー事件」には、岩崎が弁護士や自身の親への不満を口にしたり、お菓子や本などの差し入れを高橋氏に要求する様子が詳しく書かれている。
「これまで事件の反省については口にしていなかったので、今回の手紙の内容には驚きました」(高橋氏)
実際、この手紙が届いた前日、岩崎が控訴の取り下げを申請し、東京高裁に受理されていたことが分かった。
手紙に書かれていたことは本心なのか。高橋氏は本人に確かめるべく、その日のうちに岩崎が拘留されている立川拘置所に向かった。
(中略)
岩崎は、「冨田さんの怪我はひどい。一生残る傷ですね」と他人事のように言ったという。他にも、自分が加害者であることを忘れたかのような発言を繰り返した。
「(事件後、Twitterを更新していない冨田さんについて)ファンのこと考えてないですよね。意識を取り戻したのにファンに伝えることすらしなかった」
「彼女はまだ生きている。自殺しなかったことがすごいですね。強いですよ。彼女の意思は強い」
面会後、高橋氏は語った。
「やはり岩崎は、変わっていませんでした」
(以下、略)


省略した部分では、控訴取り下げに関して綴られた岩崎被告の手紙の冒頭に「冨田真由が善人だったら、あんなことにならなかった」と書かれていた、と触れています
岩崎被告は被害者についても、自身についてもどこか他人事のような扱いをしており、現実感が乏しい風に映ります
これは解離性障害(離人症)の特徴であり、他人の心情や心境を慮ったりする能力を欠いていると考えられます
この事件に関する報道をあちこち探して見て回ったのですが、裁判の前に実施された精神鑑定の結果について、明確に記したものが見つかりませんでした
一部のブログには岩崎被告を境界性人格障害と書かかれています。が、これが精神鑑定の結果なのかどうかは確認できません
もちろん、裁判では人格障害ではあっても責任能力に問題はなかったとの判断で実刑が言い渡されており、人格障害を理由として減刑されているわけでもないのですから、メディアにとって精神鑑定結果は報じる価値がないのでしょう
上記の「新潮45」の記事を書いている人物も、岩崎被告がどのような人格障害を抱えているかについては関心がなく、単に「反省できるかどうか?」というレベルでしか見ていないのは明らかです
さまざまな人格障害を抱えた人物と接してきた自分からすれば、岩崎被告は特別奇異な存在ではなく、よく見かけるタイプです
付言すれば、人格障害を抱えた人物だからとって、皆が皆凶悪犯罪に走るわけではありません。むしろ周囲の人との円滑な人間関係を築けないゆえに傷つき、孤立するケースが多いのです
記事を読む限り、岩崎被告自身、人格障害であるとの自覚はないのであり、この先も周囲との人間関係で衝突を繰り返し、トラブルメーカーのままでしょう

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