障害者施設19人殺害 自己愛性パーソナリティ障害
昨年7月、障害者施設を襲撃し、19人を刺殺し27人に重軽傷を負わせる凶行をしてのけた植松聖容疑者の精神鑑定が終わり、横浜地方検察庁は刑事責任を問えると判断し、起訴する見通しであると報じられています
しかし、インターネットのニュースサイトにあるコメント欄には、「自己愛性パーソナリティ障害との鑑定=不起訴」と勘違いした人たちが、罵詈雑言を書き込む騒ぎになっています
ニュースソースを最後まで読もうとせず、精神障害で不起訴なんてはけしからん、と決めつけ、怒りをぶつけているのですからうんざりさせられます
裁判制度やパーソナリティ障害の何たるかも無視し、過激な発言を公にして「言ってやったぞ」と自己満足に浸る連中は、「障害者に生きる資格はない。殺してしまえ」と口走る植松容疑者と大差ありません
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で昨年7月、19人が刺殺され27人が負傷した事件で、殺人容疑などで送検された元施設職員の植松聖容疑者(27)について、刑事責任能力があるとの精神鑑定結果が出たことが20日、捜査関係者への取材で分かった。横浜地検が勾留期限の24日までに殺人罪などで起訴する方針。神奈川県警によると、植松容疑者の鑑定留置は20日終了し、津久井署に身柄が移された。
捜査関係者によると、植松容疑者は逮捕当初から「殺してはいけないことは分かっていた」「(殺害することが)気の毒だと思った」などと供述。鑑定では事件時に善悪を理解できる状態だったと判断した。一方で、自分を特別な存在と思い込み、空想などを症状とする自己愛性パーソナリティー障害などによって理性的な行動を取ることが難しくなっていた可能性を示唆する意見が付けられたが、程度は著しくなく、動機も不可解なままとしている。
検察側は、46人が死傷した結果が極めて重大な上、包丁や結束バンドを用意するなど周到な計画性がうかがわれるとして、完全責任能力があったと主張するとみられる。地検は昨年9月、責任能力の有無を調べるために鑑定留置を実施。
今年1月までの予定だったが、医師からの申し出を受け、4週間延長された。植松容疑者は現在も「障害者なんていらない」などと独善的な主張を続けている。
津久井署捜査本部によると、植松容疑者は昨年7月26日未明、窓ガラスを割って侵入し、入所者を刃物で襲ったとされる。これまで入所者の男女43人に対する殺人や殺人未遂容疑のほか、職員への逮捕致傷容疑などで送検されている。
茨城県土浦市で平成20年に起きた連続殺傷事件では、死刑が執行された金川真大元死刑囚について、1審水戸地裁は自己愛性パーソナリティー障害とした上で完全責任能力を認めた。判決は1審で確定した。
(産経新聞の記事から引用)
自己愛性パーソナリティ障害による殺人を刑事裁判で裁くのに、異議を唱える者はいないのであり、鑑定結果だけを見てイチャモンをつけるのは明らかに理解不足です。上記の記事にもあるように、金川真大死刑囚のような判例もあります
要は価値観、人生観に大きな歪みを生じているものの、それが責任能力を阻害するものではないと検察、裁判所は考えるのであり、無罪放免にはしません
裁判が始まれば、植松被告は滔々と自説を語りまくり神のごとく振る舞うものと想像されます。法廷で注目を浴びるのは植松被告の望むところであり、ステージに立った役者のような高揚感を味わうのでしょう
そのいささかも恥じるところのない、自己愛丸出しの主張に傍聴人も裁判員も、裁判官も唖然とし、さらには嫌悪感すら覚えるようになると思います
起訴したからには検察は有罪判決を目指すのであり、死刑を求刑するのは言うまでもないところです
ただ、植松被告が死刑になったところで失われた19人の命には代えようがないのであり、何の解決にもなりません。言葉に表現できない不快感だけが残る、実に嫌な事件です
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