SMプレイにはまり４人殺傷の中国人留学生に懲役２８年判決: 夾竹桃日記

2016年12月08日

SMプレイにはまり４人殺傷の中国人留学生に懲役２８年判決

交際相手で当時大学生だった２０代の日本人女性の自宅に侵入し、女性の義父（当時（４７）を刺殺したうえ、交際相手や駆け付けた警察官ら３人に重軽傷を負わせた容疑で起訴されていた中国人留学生、徐海培（シュ・ハイペイ）被告（２６）に対する判決公判があり、東京地裁は徐被告に懲役２８年（求刑無期懲役）の実刑判決を言い渡しています

恋愛のもつれと言ってしまえばそれまでの事件なのですが、１人を殺害し３人に重軽傷（包丁で指を切りつけられた結果、指を動かせない障害が残った）を負わせたという結果は非常に重いものです

それでも無期懲役を回避したのは、徐被告と被害者である女性のいびつな関係を考慮した結果なのでしょう

徐被告と当時大学生だった被害者女性は婚活サイトで知り合い、同棲を始めたのですが、２人でＳＭプレイにドはまりしていた事実が公判で明かされています

産経新聞の記事から引用します

徐被告は中国で日本のアニメに傾倒し、独学で日本語を習得。平成２１年に来日し、アルバイトをしながら専門学校や大学で学んでいた。埼玉県内の自宅マンションの壁には大量のアニメのポスターを飾っていたほか、アイドルグループ「ＡＫＢ４８」の大ファンでもあり、同グループなどのＣＤを約１０００枚持っていたという。

（中略）

同棲を開始してすぐに２人は互いの携帯電話の異性の連絡先を削除。また「別れるときは相手を殺して自分も死のう」と約束したという。さらに女性の要求に応じて徐被告が女性の首を絞めたり、女性が徐被告に目隠しをしたり手首を縛ったりする行為を動画に撮影。一方、女性は徐被告の体内に異物を入れたり、背中にろうそくを垂らしたり、徐被告の放尿の様子を動画で撮影したりした。その際の動画には、女性から「なんでおしっこするの？」と聞かれ、「あなた様のご命令だからです」と話す徐被告の様子が撮影されていた。

女性や徐被告の話によると、結婚の申し出を女性が断ると徐被告は逆上し、女性の実家の鍵や携帯電話、バッグを隠すなどした。これに対し、女性も徐被告宅の洗濯機や冷蔵庫、ゲーム機の電源コードを切断し、アニメポスターを切り裂いたという。

証人尋問で女性は「徐被告は結婚までのつなぎだと思っていた。義父とは血は繋がっていないが、本当のお父さんだと思っていた。極刑を望みます」と述べた。

徐被告は真っすぐ前を見つめ、ついたて内の女性の話に耳を傾けていた。

（以下、略）

婚活サイトで知り合ったとはいえども、女性にとって徐被告はＳＭプレイのパートナーに過ぎなかったようです（大学生でＳＭプレイにはまり、男と同棲するという選択もどうかとは思いますが）

他方で、徐被告はＳＭプレイの快楽にのめり込むと同時に、彼女との結婚を確信していたのでしょう。それが突如破綻したため、彼女を取り戻そうと自宅へ押しかけたと推測されます

刃物を持参したのは、彼女が別れると言うなら彼女を殺し、自分も死のうと思い詰めた結果なのかもしれません

ですが、こうした２人の関係も所詮はＳＭプレイと同様絵空事のようなものです

徐被告はドはまりした挙句、現実を吟味・検討するのを放棄し、我を見失ったと指摘できます。結婚を考えるならもっと２人の将来について話し合い、具体的な計画を立てる必要があります。彼女がそれに応じないのなら、結婚の可能性はないと判断できたわけで

アイドルに夢中になってＣＤを大量に買い込んだり…、といった行動が見られるように、徐被告は後先のことなど考えず目の前に快楽に溺れるタイプなのでしょう。刃物を持って彼女の実家へ押しかける行動も、衝動に駆られるままのものでしかありません

２８年の実刑ですから、仮釈放が得られるまで少なくとも２０年以上服役すると考えられます。２０年以上も刑務所で過ごすため留学してきたのではないと、徐被告が気づくかどうか

こうした事件が報道されると、「被害者である元女子大生はＳで、徐被告はＭで」などという説明が出回ったりします。しかし、こうした遊びとしてのＳＭごっこはサディズムやマゾヒズムとは程遠いものであり、暗黙の了解の上で互いに役割を交換しながら繰り広げられるプレイにすぎない、と自分は考えます