九頭竜湖殺人事件の林被告 2人殺害でも無期懲役
世間を注目を集めるような凶悪事件について、当ブログはできるだけ取り上げているつもりですが、すべてを網羅するわけにはいきません
2011年に起きた九頭竜湖殺人事件も、取りこぼした事件の1つです
九頭竜湖に捨てられた冷凍庫の中から女性の遺体が発見され、中古車販売業を自称する林圭二被告が逮捕されたのですが、捜査が進むうちに余罪がボロボロと発覚し、さらに別の女性まで殺害していたと判明した事件です
そのため、逮捕から起訴、結審に至るまで随分と時間がかかっています
九頭竜湖事件の林被告に無期 名地裁判決「死刑選択できない」
愛知県内で女性を殺害して福井県の九頭竜湖に遺棄し、別の女性を窒息死させたとして、殺人や傷害致死などの罪に問われた中古車販売業の林圭二被告(44)=岐阜県美濃加茂市=の裁判員裁判の判決公判が二日、名古屋地裁であった。景山太郎裁判長は「二人の生命が失われた結果は重大だが、死刑の選択が真にやむを得ないとはいえない」として、死刑求刑に対し、無期懲役を言い渡した。
判決理由で景山裁判長は、愛知県一宮市の飲食店員森岡まどかさん=当時(27)=の殺人、死体遺棄事件について「非情で残忍な犯行。被告が主導したことも明らか。人格の尊重や死を悼む気持ちはみじんも感じられない」と指摘した。
被告が交際相手だった同県小牧市の元飲食店員浅埜(あさの)江里さん=同(26)=に自ら首に鎖を巻くよう仕向け、窒息死させた傷害致死事件については「浅埜さんは心理的に支配され、被告の指示や命令と異なる行動ができなかった」と被告の無罪主張を退けた。
死刑を回避した理由について「殺人は金銭目的などではない。傷害致死も際だって悪質だが殺意はない。裁判例の傾向も踏まえ、死刑は選択できない」とした。
裁判官のみで審理され、既に有罪となった詐欺、窃盗事件などを含め判決は言い渡され、浅埜さんに出会い系サイトで稼がせた犯罪収益など約三千二百万円の没収も命じた。裁判長の指摘で検察側が傷害致死事件の起訴内容を追加し判決は約四カ月延びた。
判決によると、被告は二〇一一年十一月、元同僚の渡辺智由(ともゆき)受刑者(38)=殺人、死体遺棄罪で懲役十四年確定=と共謀、同県犬山市の駐車場で森岡さんの首を絞め殺害。遺体を冷凍庫に詰め九頭竜湖に捨てた。〇九年七月には被告宅で居眠りした浅埜さんを叱責(しっせき)。立たせた状態で和室上部につなげた鎖を首に巻くよう仕向け、立ち続けられずに首が絞まり窒息死させた。
<早川幸延・名古屋地検次席検事の話> 量刑が求刑を下回った。判決内容をよく検討し、適切に対応したい。
(中日新聞の記事から引用)
2人の女性を殺害してもなお、無期懲役とする裁判官の判断は大いに疑問です
情状酌量の余地もなく、女性を暴力で支配し、蹂躙し、命を奪う残虐な所業であるにも関わらず、「2人の生命が失われた結果は重大だが、2つの事件は質が異なり、生命軽視の態度が甚だしいとまでは評価できない。死刑の選択が真にやむを得ないとはいえない」と裁判長は結論付けているのですから
検察側は量刑を不服として控訴するべきでしょう
2人の命を奪ったのですから生命軽視の態度は甚だしいのであり、そうではないとする裁判官の感覚が疑われます
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