千葉女性監禁殺害事件を考える3 中野被告は無期懲役
昨年4月、千葉県船橋市の無職、野口愛永(まなえ)さん(18)が車で連れ去られて行方不明になった事件で、犯行に関与した男女4人が逮捕されています
直接の殺害行為に関与した住所不定、無職、中野翔太容疑者(20)の裁判が先行して進められ、判決公判で無期懲役を言い渡されています
事件は野口さんの友人だった女が野口さんに制裁を加える目的で井出祐輝被告と中野翔太被告に犯行をもちかけ、野口さんを拉致・監禁し、暴行を加えた上で穴の中に生き埋めにするという残忍なものでした
千葉県芝山町の畑に昨年4月、同県船橋市に住む女性=当時(18)=を生き埋めにして殺害したなどとして、強盗殺人や逮捕監禁などの罪に問われた住所不定、無職の中野翔太被告(21)に対する裁判員裁判の判決公判が30日、千葉地裁で開かれ、吉井隆平裁判長は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
公判で中野被告は起訴内容を認めていた。弁護側は中野被告が計画の立案に参加しておらず、「力関係のある共犯の井出裕輝被告(22)=強盗殺人罪などで起訴=の指示に従った」と訴え、軽度の精神遅滞があったことや中野被告の供述で事件の真相が明らかになったことなども挙げ、有期刑を求めていた。
一方、検察側は論告で、中野被告が生き埋めの前に女性に対し「お前は死ぬんだよ」と死の恐怖をあおるなどし、犯行は残虐かつ計画的で、「被害者が1人の事案だが、死刑にも値する」と指摘。実行犯の中野被告が果たした役割の大きさも示した。
他方、自ら出頭し事実を認め、事件の解明に貢献したことなどにも触れ、「苦渋の判断だが、死刑を求めるには一抹の躊躇(ちゅうちょ)がある」としていた。
起訴状によると、中野被告は昨年4月19日夜、井出被告らとともに、千葉市中央区の路上で女性を乗用車に乗せ両手足を緊縛するなどして監禁。財布やバッグを奪うなどし、翌20日未明、同県芝山町の畑に掘ってあった穴に女性を入れ土砂で生き埋めにし、窒息死させた。
(産経新聞の記事から引用)
改めて指摘するまでもなく、野口さん殺害をもちかけた女(犯行当時18歳なので名前は伏せられていますが、湯浅成実だと特定されています)が首謀者です。井出被告も中野被告も野口さんとは面識がなく、怨恨もなかったわけです
しかし、犯行に関わった井出被告も中野被告も躊躇なく殺害に至っており、被害者の生命や尊厳に配慮したりはしていません
犯行後、湯浅成実や井出、中野被告はそれぞれ友人に殺害を自慢する電話をしたりメールを送信しており、反省の素振りすらなかったと明かされています
中野被告の弁護側は法廷で、井出被告との間に犯行以前から車の洗車をさせられたり、木の棒や素手で殴られるなどの暴力振るわれたり、給料を握られていたりといった力関係があり、協力を断れず犯行に加担したとした。
中野被告が友人にメールで「今の俺さ、最強だよ」「ここだけの話しさ、人を容赦なく殺せるもん」「ちゃんと痛めつけてからね」と喜々として犯行を報告していたと指摘した。
中野被告が軽度の精神発達遅滞があるとは認められたものの、こうした犯行自慢が裁判員・裁判官の心証を悪くしたのは想像できます
精神的に未熟な若者の暴走、とはいえ情状酌量の余地はないと判断したのでしょう
この後、井出被告や湯浅被告の裁判が控えています。主犯格である湯浅被告は中野被告の判決をどう受け止め、何を思うのでしょうか
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