中国紙「中国アニメは日本のアニメに立ち向かえるのか?」

何かにつけ日本のアニメとの比較をしようとする中国メディアが、最新の作品である「京劇猫」を取り上げあれこれ書いています
中国アニメは独自の作風を模索したり、ディズニーの作風を真似したり、日本のアニメ風作品をてがけてみたりと迷走中で、なかなか自分のスタイルを確立できなにのですが、「京劇猫」の場合はどうなのでしょうか?


日本のアニメに、中国国産「京劇猫」は立ち向かえるのか?
中国の伝統的な古典演劇・京劇の要素とアニメを組み合わせた中国のオリジナルアニメ「京劇猫(Beijing Opera Cats)」は昨年12月に配信が始まり、中国国産アニメの視聴率記録を次々に塗り替え、「全国児童視聴率王」、「中国国家新聞出版広播電影電視(ラジオ・映画・テレビ)総局優秀国産アニメ推薦」などの栄誉も手中にしてきた。
現在、同アニメのシーズン1の第二章の配信も始まっている。日本や米国のアニメが中国のアニメに与える影響について、「京劇猫」の彭●政(●=敬の下に手)総監督は、「作風に過度にジレンマを感じる必要はない。中国語で物語を展開できるのが一番いい」と語っている。長春晩報が伝えた。
「京劇猫」は京劇の「唱念做打(歌、せりふ、しぐさ、立ち回り)」の四法、「手、眼、身、法、歩」の五功、納・督・録・判からなる十二宗の概念と、中国の人々が最も好きな「猫」を組み合わせており、貴族の血統を持たない普通の猫たちが団結して敵と戦う物語が展開される。
近年、人気となっている「中国風」のアニメを見ると、依然として日本のアニメの影響を受けている作品が多い。ストーリーやキャラクターには中国の特徴があるものの、1980~90年代のオリジナリティーある中国アニメとは全く異なっている。
その点、彭総監督は、「作風に過度にジレンマを感じる必要はない。西洋人には西洋人の思考回路があり、東洋人には東洋人の意識形態がある。冷静になって、偏見を捨て、まず、いかに自分たちの言葉でストーリーを展開していくかということに集中して考えればいい。他にはない形式をあまりに追及すると、めちゃくちゃな作品になってしまう可能性が高い」との見方を示す。
「西遊記之大聖帰来(Monkey King: Hero is Back)」や「大魚海棠(Big Fish&Begonia)」など、数々のアニメーション映画が大ヒットするにつれ、中国人のアニメ業界に対する期待も高まっている。
しかし、多くの業界関係者は、「多くの中国のアニメーション映画は製作の面で一定の基準に達していない」と声を揃える。
その点について、彭総監督は、「アニメに関係する産業チェーンは非常に複雑。映画・ドラマの市場がある国は、ほとんどすべて自国でもアニメを製作しているが、アニメを実際に産業化できているのは米国と日本だけ。そのため、中国のアニメ業界の現状に失望してはならない。どんな業界でも成長の過程が必要だ」と指摘している。


何を言いたいのか、要旨が判然としない記事です。日本アニメのような作風と言われるのが嫌なので、監督は「中国のオリジナルの物語だ」と強弁しているように聞こえます
深読みすれば、「いまの中国アニメ業界にはこれが精一杯」と釈明しているようにも受け取れますが
さて、「京劇猫」とはどのような作品か、まずは動画をご覧ください


京剧猫第一季(下部) 第11集



ポケットモンスターを模したよな作品です。日本では、「猫に眉毛がいるのか?」との突っ込みが入っています
おそらくはキャラを立てるため、眉毛を各種、使い分けているのでしょう
子ども向けとして可もなく不可もない出来のように映るものの、正直「物足らない」感がします
日本のアニメーション制作会社が手がけたなら、もっとキャラを掘り下げたり、物語に陰影を加味したり、猫一匹一匹の葛藤や成長を描いたりするところですが、中国アニメにそんな期待をしても無駄です
かつて2000年代には、「中国や韓国のアニメが日本に追いつき、追い越す」としきりに報じられたものですが、2016年現在、追いつけないほど距離があると再確認できたのではないでしょうか?

(関連記事)
中国アニメと日本アニメ 絶対に越えられない壁
中国メディア「日本アニメとの差は開いている」
中国アニメは独り立ち「日本を超えた」との声
文化強国目指す中国 実態はコンテンツの墓場
中国アニメ「西遊記」来年日本公開 早くも大コケの予感
「悪者が味方になる日本アニメ」を評価する中国メディア
パクリアニメを批判する中国メディア
「中国アニメは日本に追いついたか?」と書く中国メディア
日本版「三国志」のアニメ、ゲームを批判する中国
中国が本気で作った3Dアニメ「三国演義」
「中国のギャグアニメが人気」も、中身は日本式ギャグ連発
中国アニメのいいわけ 「良質のシナリオさえ準備できれば」
中国では作れない春秋戦国時代アニメ「キングダム」
中国政府 ライトノベル禁止令を発動させる
中国の新作アニメはまたしても「西遊記」
来年注目の中国アニメは「我的師父姜子牙」
中国メディア 「中国アニメ界になぜ宮崎駿は生まれないのか」
「日本の伝統と現代を融合させた宮崎駿」と誤解する中国メディア
中国の怖くないゾンビアニメ「屍兄」
「日本は国産アニメ保護のため外国作品を排除」と書く中国メディア
中国 「夏はやっぱり抗日アニメ」
中国の魔法少女アニメ「巴拉拉小魔仙」
「名探偵コナン」の人気を読み誤る中国メディア
日中韓共同制作アニメ「金玉鳳凰」は空中分解
中国アニメ産業、生産額1兆円の時代を迎える
「国家イメージまで創り上げた日本のアニメ」と報じる中国メディア
成功を焦る中国アニメ 世界的なヒット作はなく
大和総研の「日中アニメ業界の比較研究」がひどい
中国アニメ「一人之下」 日本でウケず自虐する中国人
中国アニメの逆襲 「一人之下」が日本で放映され話題に?
中国原作アニメが続々登場 日本アニメの危機?



この記事へのトラックバック