高齢者の交通事故相次ぐ
「高齢者の交通事故」とタイトルに書きました。以前ならば高齢者が犠牲になる交通事故が増えている、と解釈するところですが、現在では高齢のドライバーが加害者になる交通事故が増えています
横浜で認知症が疑われる高齢者の車が登校途中の小学生の列に突っ込み、児童が死亡する事故があったばかりです
さらには東京立川市の病院内で、83歳の女性が運転する車が暴走し、2人をはねて死亡させる事故が起きました。運転していた女性はブレーキが効かなかったと釈明しているものの、現場にはブレーキ痕がなくアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性が大です
12日午後3時ごろ、東京都立川市緑町の国立病院機構災害医療センターの敷地内で、83歳の女性が運転する乗用車が暴走して歩道に突っ込み、30代の男女2人がはねられた。2人はまもなく死亡が確認された。女性は事故直後、「ブレーキを踏んだが止まらなかった」と説明したが、頭を打って入院しており、警視庁は回復を待って自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で話を聴く。
立川署によると、亡くなったのは東京都八王子市犬目町の会社役員安和(あわ)竜洋さん(39)と、知人の東京都小平市中島町、パート市川妙子さん(35)。車を運転していたのは東京都国分寺市東戸倉1丁目の上江洲幸子さん(83)で、敷地内の駐車場から出るとき、料金所の開閉式のバーを押しのけてそのまま直進。
車道と植え込みを突っ切って歩道に乗り上げた。車の運転席には小銭が散らばっており、署は、料金を投入しようとした際、誤ってアクセルを踏んだ可能性があるとみている。現場にはブレーキ痕がなかった。上江洲さんは同センターに入院している夫の見舞いの帰りで、1人で車を運転していたという。署によると認知症の症状は確認されていない。
(朝日新聞の記事から引用)
高齢者ドライバーの運転する車がコンビニエンスストアに突っ込む、という事故のニュースも頻繁に見かけます。しかし、高齢者ドライバーにとってそんな事故のニュースは他人事であり、自分が加害者になるなど夢にも思っていないのでしょう
また、高齢であるがゆえに処罰されないと思っている人もいたりします
しかし、現状はそんな甘いものではなく、民事上の責任もしっかりと問われます
2人の命を奪った事実は重くのしかかるわけで、逃れようもありません(物損事故程度なら保険会社任せで済みますが)
上記の事故を起こした女性は入院している夫の看病で病院に通っていたのですが、せめてタクシーを利用していればこの事故は回避できたはずです
事故によって大きな負担を抱え込むことを考えれば、タクシー代の数千円など安いものでしょう
ですが、高齢者は「タクシー代がもったいない」との思いがあるだけに、自分で車を運転したいのでしょう。目先のタクシー代をけちったばかりに、高い代償を払う結果となりました
もちろん、被害に遭われた方の家族は上記の女性の家庭の事情など関係なく、運転者としての責任を問うはずです。「高齢だったから」とか、「夫の看病で疲れていたから」などという弁解は通用しません
高齢者ドライバーによる死亡事故が相次ぐならば、高齢者の自動車保険(自賠責も任意保険も)の保険料を大幅に引き上げる措置も必要でしょう
それならばと任意保険に入るのを止めて運転を続ける高齢者ドライバーが増える、という問題が発生するようでは困りますが
免許更新時、高齢者ドライバーには「死亡事故を起こした場合の負担」をじっくり説明し、免許更新か免許返納か選択させるしかないのでしょうか?
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