門真4人殺傷事件を考える1 犯行の狙いは?

大阪府門真市の住宅に男が押し入り、1人が殺害され3人が負傷する事件がありました。容疑者として逮捕された小林裕真(ゆうま)容疑者と被害者である川上幸伸一家との間に現時点では接点がなかったとされており、なぜ凶悪な犯行に至ったかは不明です


大阪府門真市四宮の大工、川上幸伸さん(43)方で一家4人が刃物で襲われ、川上さんが死亡、3人が負傷した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された定時制高校生、小林裕真(ゆうま)容疑者(24)が犯行当時、手袋をはめていたとみられることが20日、捜査関係者への取材で分かった。
小林容疑者の自宅を家宅捜索したところ、部屋からチェーンソーやノコギリ、サバイバルナイフ、銃刀類の登録証が見つかっていたことも判明。大阪府警は刃物類を収集していた経緯を調べる。
捜査関係者によると、現場からは血の付いた短刀のほかに手袋が見つかった。
小林容疑者が所持していたリュックサックの中には刺し身包丁やナタに加えて、窓ガラスを割るのに使ったとみられるガスバーナー、雑巾、タオル、ナイロン袋1枚、黒色の作業靴も入っていた。
作業靴は新品でなく、小林容疑者が普段使っていたものとみられる。小林容疑者は靴を脱いで靴下で民家内に侵入しており、指紋や足跡などの痕跡や物音を消す狙いがあったとみられる。
こうした状況から、府警は小林容疑者が入念に準備していたとみているが、川上さん一家との接点は確認できていない。調べに対し「私はだまされていた」などと供述している。府警は20日、殺人容疑で送検し、動機の解明を進める方針。
(産経新聞の記事から引用)


亡くなった川上さんは身体を30箇所あまり刺されており、小林容疑者が執拗に刃物で刺したと推測されます
通常なら怨恨が原因と考えるところですが、川上さんとその家族は小林容疑者との接点がないだけに、なぜ短刀やら刺身包丁、ナタなどの刃物持参で押し入ったのか不可解です。複数の刃物を持参したからには、川上さんだけでなく家族全員を殺害するつもりだったのでしょう
窓ガラスをガスバーナーで焼き破って進入するというプロ並の手口ですが、小林容疑者がサバイバルゲームのマニアだったとの情報もあり、犯行の手法はそうしたルートから仕入れたのかもしれません
小林容疑者は高校入学後、不登校となり、以降は引きこもっていたと別の報道では書かれています
また、小林容疑者の母親は、「息子は精神疾患のため入院していた」とも語っています。今回の犯行が妄想念慮に取り憑かれた上でのものなのかは、即断できません
計画的な犯行であり、とても精神錯乱状態で押し入ったとは思えないのですが
まったく面識もない、接点もない家へ侵入して殺人を行っているのですから、何か小林容疑者を駆り立てるだけの動機があったはずです
強いて憶測すれば、小林容疑者が「川上さん一家を殺さなければならないという架空のストーリー」を思い描き、下見をするなど入念な準備をし、犯行に至ったとの仮説が浮かびます。それでもなお、数ある住宅の中から川上さん宅に狙いを定めたかは不明です
逮捕当時、小林容疑者は「私はだまされた」と叫んでいたそうですが、何を意味しているのか分かりません
警察が取り調べているものの、明確な供述を引き出すのは困難ではないか、という気がします

(関連記事)
門真4人殺傷事件を考える5 母親に賠償を命じる判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202210article_56.html
門真市人殺傷事件を考える4 控訴審も懲役30年
門真4人殺傷事件を考える3 懲役30年判決も不服で控訴
門真4人殺傷事件を考える2 死刑を求刑
世田谷一家殺害事件から15年
世田谷一家殺人 「犯人は15歳から22歳」と警察
蟹江町3人殺傷事件 死刑判決に不服、控訴
愛知蟹江町3人殺傷事件 死刑求刑
愛知蟹江町3人殺傷事件 中国人被告の裁判開始
2009年愛知の強盗殺人事件、中国人の関与が浮上
江田島で中国人研修生が8人殺傷
8人を殺傷した中国人実習生 その後
江田島9人殺傷事件中国人被告が出廷拒否
江田島9人殺傷事件 中国人に無期懲役判決
熊谷6人殺害事件を考える1 容疑者の兄も大量殺人犯
熊谷6人殺害事件を考える2 任意同行も見失う
熊谷6人殺害事件を考える3 「ペルー人」報道は人権侵害か?
熊谷6人殺害事件を考える4 犯行を否認
茨城一家殺害事件を考える 一か月経っても捜査進展なく
新居浜一家殺害事件を考える 河野容疑者逮捕
新居浜一家殺害事件を考える 警察は保健所に通報


無差別殺人の精神分析 (新潮選書)
新潮社
片田 珠美

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 無差別殺人の精神分析 (新潮選書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのトラックバック