「田中角栄ブーム」と呼ばれるもの
田中角栄について書いた石原慎太郎の著書「天才」(幻冬舎)が90万部を超えるベストセラーとなり、「田中角栄ブーム」だと囃し立てるメディアがいます
毎日新聞が「角栄ブームを考える」論評を掲載していますので、紹介します
長文の記事なので、全容はウェッブサイトで確認願います
「角栄ブーム」を問い直すー「天才」政治家の虚像と実像
2016年上半期で最もヒットした小説は、こんな一文で始まる。
<俺はいつか必ず故郷から東京に出てこの身を立てるつもりでいた。>
新潟の寒村に生まれた貧しき少年は十六で上京し、やがて総理の座に上りつめるが、絶頂期に刑事被告人へと転落し、病魔に侵されながら眠るように死んでいく。
主人公の田中角栄は、波乱万丈の生涯を「俺」という一人称で赤裸々に語りつくす──。
作者の石原慎太郎は、昭和を体現したリーダーに憑依しながら豪放磊落なオモテと多感多情なウラを創作した。そして、『天才』と名付けた。
「第一稿で石原さんがつけたタイトルは『田中角栄正伝』でした。政治家というよりも人間・角栄、しかもオリジナルの心象風景を描いたのに、それではドキュメンタリーっぽくなる。社内でも議論になりましたが、ある時社長(見城徹)が『「天才」でいいよ』と閃きました。石原さんは『俺が天才になったみたいだな』と笑っていましたが、独特のチャーミングな響きがピッタリはまりました」
編集を担当した幻冬舎常務執行役員の森下康樹は、舞台裏をそう明かす。
今年1月末の発売時、『天才』の初版は4万部だった。5万部超で大ヒットになる時代に強気の決断ができたのはブームを意識したからではなく、森下自身が10年以上前に編集した『異形の将軍 田中角栄の生涯』(津本陽著)が10万部を超えたという成功体験があったからだ。ヒットメーカーの狙いは見事に的中し、6カ月で90万部に達した。
石原から「今、角栄について書いている」と電話があってから2カ月後には完成に近い原稿が届いたという。物語は政治闘争よりも成長過程や家族関係に比重を置いていた。
「私はもっと政局のドンパチも読みたいと思いましたが、石原さん曰く、『すでにニュースで読者に刷り込まれている話なので、もういい』と。たしかに、人間に焦点が当たって、どこにでもいそうなオジサン、実は自分と一緒だなと感情移入しやすくなる。それならと、絶頂からどん底に落ちる場面に心情描写を書き足すようお願いして、さらに陰影をつけました」
(以下、略)
石原慎太郎は自民党の国会議員でしたが、田中角栄との距離が近かったわけでもなく、だからこそ田中派所属の国会議員よりは客観的に田中角栄の姿を眺めることができたのかもしれません
もちろん、「天才」で描かれた話は石原慎太郎の創作であり、田中角栄の心情を直接確かめて書いたものではないのは指摘するまでもないのですが、そこに田中の真の姿を見たような錯覚に陥っている人も少なくないのでしょう
省略した部分では元田中派の秘書として活躍した男性へのインタビューがあり、田中角栄について書かれた本が170冊も出ている、との話があります
その本のほとんどが、田中角栄と直接面識のない人物の手によって書かれている、とも言及しています
こうした本の多くは、田中角栄を知る政治家、元秘書、ジャーナリストなどを訪ね歩き、昔話を聞き出して1冊にまとめる手法で編纂されているのでしょう
それだけエピソードの豊富な人物だったとも言えますし、「自分は田中角栄の本当の姿を知っている」と言わせたくなるほど、豪腕政治家という表の姿と人懐っこい田舎のオヤジ的な裏の姿との間にギャップがあったと思われます
ならば田中角栄の身近にいた田中真紀子にも、父親角栄について語ってもらおうと取材が殺到しているのかもしれません
しかし、ロッキード事件でのメディアによるバッシングを体験した田中真紀子は、決してメディアに心を許さないのでしょうし、父親について語ろうとはしないと推測します
サラリーマンで自己啓発本が好きな人は、一連の田中角栄本に魅了され、読みふけってしまうのかな、と思ったりします。そして、「今の時代にこそ、田中角栄のような政治家必要だ」などと語り始めるような…
今後も、「田中角栄の人間力」だとか、そんなウケ狙いの企画による出版が相次ぐのでしょう
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