福岡女児遺棄事件を考える4 公判でも殺意を否認

昨年1月、福岡県豊前市で起きた小学5年生石橋美羽さん殺害事件で起訴された内間利幸被告の裁判員裁判が始まっており、その一端が報じられています
内間被告は美羽さんの遺体を遺棄した件についてのみ認め、殺意はなかったと主張しています
前回も触れたように、内間被告は沖縄で女児への性的暴行を繰り返し、服役していた前科があります。ですから、「殺す気はなかった」との主張を額面通り受け取るわけにはいきません
幼い少女を弄び、自分の性欲を満足させようとする変態であり、少女の生命や身の安全など考慮していないのは明らかです


福岡県豊前市で昨年1月、小学5年の女児(当時10歳)を殺害したとして殺人や死体遺棄などの罪に問われた同市の内間(うちま)利幸被告(47)の裁判員裁判は15日、福岡地裁小倉支部(柴田寿宏裁判長)で証人尋問があった。検察側の証人として出廷した女児の母親は時折、涙で声を詰まらせながら「娘を返してほしい。被告は絶対に死刑にしてほしい」と訴えた。事件後、女児の母親が公の場で心境を明らかにしたのは初めて。
母親は「娘は誰にでも優しく、どんなことにも一生懸命頑張る、控えめだけど真面目な子だった。本当に可愛かった……」と話すと絶句した。続けて「一緒に旅行に行くことなどを楽しみに生活していた。これからの成長を楽しみしていたのにそれを奪われた」と悔しさをにじませた。内間被告に対しては「全く反省していないように感じる。娘に非があるような主張をし、母としても女性としても許せない。これ以上、娘を侮辱しないでほしい」と語気を強めた。
母親は、被告や傍聴席から見えないよう三方についたてを置いた証言台で、検察側の質問に応じた。裁判員の一人は涙が頬を伝うのもそのままに母親の話を聴き入り、内間被告はうつむいたまま微動だにせず聴いていた。午後からは被告人質問や女児の父親の意見陳述が予定されている。
起訴状によると、昨年1月31日、豊前市の知人宅で女児の首を絞めて殺害した後、遺体をバッグに入れて自宅に運び遺棄したなどとされる。内間被告は初公判で「殺意はありませんでした」などと述べ、死体遺棄罪以外について起訴内容を否認している。
(毎日新聞の記事から引用)


通常、被害者が1人の場合は死刑を適用をしない、という暗黙のルールが司法関係者の間に存在します。しかし、例外はあります
神戸で小学1年生の女子が連れ去られ、殺害後遺棄された事件では、君野被告に死刑判決が言い渡されています。犯行は残忍の一言に尽き、小学1年の女児をわいせつ行為目的で連れ去った挙句、殺害して遺体を切り刻み遺棄しているのですから、弁護のしようもないくらい鬼畜な所業です
本件の被害者である石橋美羽さんにとって、内間被告は親友である女児の義理の父親とも言うべき存在であり、突然襲いかかられた恐怖は筆舌に尽くしがたいものだったでしょう。内間被告は「抵抗されて気が動転した。首を絞めた殺すつもりはなかった」などと釈明していますが、気が動転したのは47歳の内間被告ではなく、10歳の美羽さんだったはずです
これではまるで、「抵抗した方が悪い」と開き直っているのも同然であり、往生際の悪さにもほどがあります
当然、検察側は内間被告に死刑を求刑するのでしょう

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