「リオ五輪日本は遺伝子を高めた結果」と書く中国メディア
1日に複数回もサーチナの配信記事を引用するのは気がひけるのですが、ネタの宝庫なのでまあ、いいでしょう
先日もリオデジャネイロ五輪の男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した日本チームに関し、「黒人が混ざっている」と嘲笑する中国の声を取り上げたところですが、こうした反応はなおも続いています
今度は、「日本政府が金メダルと取るため遺伝子を高める操作をしている」とまで書いている記事をサーチナが配信していますので、紹介します
中国メディア・北京青年報は21日、「(ハーフ選手起用)は日本の五輪戦略の縮図に過ぎない」とする記事を掲載した。記事は、陸上男子400メートルのアンカーケンブリッジ飛鳥選手に対して中国国内から揶揄が出たと紹介。そのうえで「しかし、日本は民族的な遺伝子を高める努力をすでに久しく行ってきた。そして日本のスポーツ界においてハーフ選手が台頭するムードが与えられたのだ」と解説するとともに、「4年後の東京五輪に向けて黙々と続けてきた布石の効果が出てきているのである」と論じた。
また、「冷静に考えてみよう」とし、「(歴史的に)中国と外国との結婚は非常に多いではないか。後代になってもそうだ。それでどうしてスポーツに取り組む人では少なく、陸上をやっている人などなおさら聞いたことがないのか」と問いかけた。
そして、日本の「ハーフ選手」たちがみな日本の初中等教育体系の中で成長してきたことを指摘。学校におけるスポーツに対する濃厚な雰囲気が、彼らに上昇の空間をもたらしたのだとし、「良好な遺伝子と成長する場のサポートがあって、初めて日本は今回のようにハーフ選手を送り出せたのだ」と説明している。
記事は、このような選手の育成について「東京五輪に向けた日本の布石の縮図なのだ」とし、政府機関のスポーツ庁が中国の五輪金メダル戦略を模倣して世界一流選手のトレーニングや試合出場を様々な形で支援していると紹介。日本が2020年の東京五輪では16個以上の金メダル獲得を目指していると伝えた。
いろいろと突っ込みどころだらけの記事です。国家的な政策として外国人との結婚を奨励しているわけでもなく、ましてや優秀なスポーツ選手を生み出すために競走馬の交配めいた真似をしているわけでもないのですが
「民族的な遺伝子を高める努力を久しく行ってきた」と書いてあるものの、何を指し示しているのか不明です
過去にはハンマー投げの室伏広治選手のように、母親が外国人という例がありますから、それを言いたいのかもしれません
しかし、民族的な血統を云々するのは誤った純血主義に染まっているからであり、視野狭窄にもほどがあります。それだけ漢民族の血統を誇り、多民族を見下していると考えられます。それにしてもアメリカの選手たちの血統にいちいちケチをつけないと気が済まないのでしょうか?(皮肉です)
以前にもアメリカの遺伝子バンクの話を紹介しました。ノーベル賞受賞者やオリンピックのメダリストなどの優秀な遺伝子を提供する、として営まれていた精子銀行ですが、結局のところ天才や優秀なアスリートを生み出すことなく閉鎖されています。ですから、競馬馬の交配のようにはいかないわけです
記事は概ね、日本が小学校から中学校にかけての学校教育において体育・部活動などを通じてアスリートの芽を見出し、育成していると肯定する体裁をとっているものの、根底にある下衆な考えに辟易とさせられます
国家ぐるみでメダリストを要請する手法は旧ソ連など共産主義国で長く続けられてきたのであり、珍しいものではありません
むしろ日本のように国や地方自治体が設備を提供するのみで、選手育成はあくまで学校や企業、選手の自助努力に委ねてきたのが異常と言えるのでしょう
「民族的な遺伝子を高める努力を続けてきた」などと、見てきたような言い方をする北京青年報の記事があまりに不快なので取り上げました
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