ホンダがレアアース不要のHV用モーター開発 中国に衝撃
ハイブリッド車に使われるモーターには、ジスプロシウムなどのレアアース(重希土類)を用いたネオジム磁石が選ばれます。このジスプロシウムは99%が中国で産出されるため、中国がレアアースの輸出規制をかけた期間に大幅に値上がりし、トヨタはプリウスの販売価格を10万円引き上げる結果となりました
ホンダは大同特殊鋼との共同開発でジスプロシウムを使わない磁石の開発に成功した、と報じられています
これでまた中国の対日カードが無効になったわけであり、日本の技術開発力のすさまじざに驚き、呆れ、中国の技術力の拙さをまざまざと認識したのではないでしょうか?
以下、ロイターの配信記事から一部を引用します
重希土類は大部分を中国からの輸入に頼っており、過去には政治的な問題で輸出が規制されたり価格が高騰したりしたため、自動車・素材メーカー各社は使用量を減らす技術開発を進めてきた。ホンダは重希土類を使わない磁石を採用することで調達リスクを低減する。
最強の磁力を持つネオジム磁石はHVなど電動車両向け駆動モーターに主に使われ、今後も急激な需要拡大が見込まれている。ネオジム磁石は高温下で使用されるため高い耐熱性が要求され、従来は耐熱性を確保するために重希土類を使う必要があった。
大同特殊鋼はこのほど、一般的な工法による磁石に比べ、磁石の組織を約10分の1以下に微細化することで、重希土類がなくても耐熱性を確保できる技術を開発した。
モーターに重希土類を使わなくてもトルク、出力、耐熱性の性能は従来品と同じレベルを達成しており、コストも削減できるという。ホンダによれば、車種にもよるが、新型フリードのHV用モーターに使う場合、ネオジム磁石(従来1台当たり約900グラム)は、重希土類の分(約60─70グラム)が減り、磁石のコストも1割ほど削減できる見込み。
ホンダは今後、新型モーターをフリードと同じ磁石を使える同サイズの新型車へ順次、採用する予定。より大きな車両や電気自動車(EV)への採用には耐熱性をさらに向上させる必要があることから引き続き開発を進める。
当ブログでの過去に取り上げたように、東芝は2012年にジスプロシウムを使わないネオジム磁石を開発しており(ジスプロシウムの代用としてサマリウムを使用)、日本電産や日立といったメーカーもジスプロシウムを使わないモーターを開発しています。すべてがハイブリッド車向けのモーターではないものの、こうした日本企業の開発力と執念に中国はあらためて驚愕したことでしょう
そしてジスプロシウムの生産国である中国では、「レアアースを使わないモーターの開発」という発想そのものがなかったのではないでしょうか?
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