中国の鉄道輸出相次ぐ失敗は「日本のせいだ」

高速鉄道輸出の計画を相次いで発表し、イケイケ状態だった中国ですが、計画が軒並み頓挫してしまい、今では犯人探しに躍起になっています
そして誰もが予想するように、自分たち中国に都合の悪い状況は「すべて日本のせいだ」とするお約束の展開になっています
以下、サーチナの配信記事を紹介します


中国高速鉄道の輸出は「挫折」の連続、だが「性能や技術の問題じゃない」=中国
(前略)
中国メディアの捜狐はこのほど、中国高速鉄道には営業距離をはじめ、さまざまな世界一があると主張する一方、それでも輸出計画に失敗続きであることに対して「中国高速鉄道を貶めようとする言論が存在する」と主張、こうした言論に警戒すべきであると論じた。
記事は米国やメキシコ、ベネズエラなどで計画が頓挫したことに対し、「あくまでも政治や経済、文化などを背景にした頓挫」であるにもかかわらず、一部で中国高速鉄道の技術や性能、さらには安全性に懸念があったためと問題をすり替えようとする言論が存在すると主張した。
さらに、これだけ問題続きであるにもかかわらず、中国高速鉄道の技術力には今なお自信を抱いているようで、記事は「他国の高速鉄道に比べ、最速で発展してきた中国高速鉄道は中国が莫大な知的財産権を持ち、一連のシステムが完備され、営業速度も速いという事実は、誰も否定することはできない」などと主張。中国高速鉄道の輸出に対しては「自信と忍耐を持ち続けるべき」としたうえで、「計画頓挫という機に乗じて、中国高速鉄道を貶めようとしている」勢力が存在すると主張し、こうした言論が広がることに警戒心を示した。


いつもの中国メディアの常、として現地での取材もせず、関係者へのインタビューもせず、オフィスでパソコンの前に座ったまま記事を書いているのでしょう
「中国の高速鉄道を貶めようとしている勢力=日本」があれこれ工作した結果だ、と決めつけるだけに根拠を、パソコンの前に座ったまま見出したのか問い質してみたいところです
アメリカ、メキシコ、ベネズエラでの失敗の背景、事情を精査した節も見当たりません
メキシコの場合、中国側がメキシコ政府関係者に派手に賄賂をばらまいたのが露見し、世論の反発を買ったという事情があります
ベネズエラの場合、石油価格下落による経済悪化が表向きの理由ですが、電力設備などのインフラも整備されていない国に高速鉄道を建設したところで、現地の人たちには利用することすらままならない高嶺の花という事情がありました。つまり一般市民が高速鉄道を利用するほど成熟した消費社会ではなく、もっと優先するべき課題が山ほどあったわけです
アメリカの場合、「現地(アメリカ国内)で鉄道車両を製造すること」という条件が付され、これに対応できないがゆえに頓挫したと言われます。上記の記事にもあるように中国は高速鉄道に関し「膨大な知的財産権を有する」と宣言していますが、基本部分は川崎重工とJR東日本の提供した技術です。日本企業が特許侵害だと主張し、米国内で裁判になれば中国側の敗訴は確実です
中国メディアはそうした事実は認めず、外国語に堪能で国際的なプロジェクトを仕切れる人材が不足していたためだ、と適当な理由を挙げて誤魔化しています
本当に技術力と実績があるなら、どこかの国による風評ごときで計画が頓挫したりするはずもないのであり、苦しい言い逃れです
別の報道では、「我が国の高速鉄道輸出をことごとく邪魔する日本」と書いている記事もありますので、「日本が悪い」は彼らの中で確信とも言える「事実」なのでしょう
日本政府や日本企業がそんな優れた情報工作活動をやれるとは思えないのですが

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