小金井アイドル刺傷事件を考える SNS書き込みは規制対象外
アイドルのファンを自称する男が逆恨みで女子大生アイドルの冨田真由さんを刺し、意識不明の重傷を負わせた事件について3度目の言及です
入院中の冨田さんの意識は回復とは報じられておらず、現在も危険な状況が続いているものと思われます
さて、今回の事件に関しては警察に相談はしていたものの、「ただちに危害を加える可能性は低い」と武蔵野署は判断し、岩埼友宏容疑者に対しストーカー規制法に基づく警告など具体的な働きかけはしていませんでした
以下、そうした警察側の判断について産経新聞の記事を引用します
東京都小金井市で、アイドル活動をしていた亜細亜大3年、冨田真由さん(20)が刺されて重体になっている事件で、殺人未遂容疑などで送検された京都市右京区の造園業、岩埼友宏容疑者のツイッターへの執拗(しつよう)な書き込みを受けて、冨田さんらは事前に警察に相談していたが、警視庁武蔵野署はストーカー被害の相談として認識していなかった。ストーカー規制法の「つきまとい」の定義にメール送信は含まれるが、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)への投稿は明記されていない。専門家は「サイバーストーキングと呼ばれるネット上のつきまとい行為の対応強化が求められる」としている。
警視庁によると、冨田さんの母親は4日、京都府警右京署に「娘が嫌がらせを受けている」と電話。同署員は冨田さんが東京在住のため警視庁に説明するよう伝えた。
その後、冨田さんが9日に警視庁武蔵野署を訪れ、岩埼容疑者の名前を挙げ、「しつこく書き込みをする。やめさせてほしい」と書き込みの印字を提出して相談。だが、同署は「直ちに危害を加えるような内容はない」としてストーカー被害として扱わず、警視庁の専門部署の人身安全関連事案総合対策本部に連絡しなかった。
日本のストーカー規制法では、規制の対象となるつきまといを8項目にわたり定義。連続した電話やファクス、メールの送信は記載されているが、ツイッターなど他者も閲覧できるSNSは明文化されていない。
同庁は「書き込みの内容を判断した結果で、SNSだから(対策本部に)報告しなかったわけではない」とするが、ある警察関係者は「投稿が危険だと反応する警察官もいたはず。情報共有があれば結果は違っていただろう」と語る。
ストーカー事件などに詳しい常磐大元教授の諸沢英道氏は「世界的にはSNS上のつきまといもストーカーと解釈される。日本の法律では行為を具体的に明示していることがかえって解釈の幅を狭めている可能性がある」と指摘。サイバーストーキングへの対応強化を求めている。
被疑者に対し、つきまといを止めるよう警告するなど実力行使を可能とする根拠、となる刑罰法令では、規制の対象や規制となる行動に関し具体的な例示が必要だとするのが法律学者の見解です。曖昧な根拠で警察が一方的な実力行使に出るのは人権上問題がある、と考えるからです
ストーカー規制法の場合も自宅や職場に押しかける、電話やメールを繰り返す行為は「つきまとい」として規制の対象ですが、ソーシャルメディアへの書き込みは法律の条文に例示されておらず、規制の対象外になってしまいます
もちろんそれだけを根拠に武蔵野署が判断したのではないのでしょう。何より岩埼友宏容疑者が冨田さんに危害を加える可能性を斟酌できず、軽く見てしまったのが最大の失敗です
武蔵野署が岩埼友宏容疑者を呼び出し、事情聴取の上説諭し、これ以上の行為はストーカー規制法違反になり刑罰の対象だと勧告したとしても(警告ではなくて)、結果は変わらなかったかもしれません。むしろ、冨田さんからストーカー扱いされたと逆上し、ただちに刃物を手に暴れ出したのでしょう
この手の事件を起こす人間は自身をストーカーであるとは認識しておらず、相手に対して繰り返し要求するだけの正当な理由、事情があると思い込んでおり、他人からの警告や意見に耳を貸したりはしません(自分の方こそ被害者だ、と確信していると言えます)
ですから警察の介入ですべてが解決するはずもなく、刃物を手に襲いかかるという最悪の結果に至るケースが何度も発生してしまいます
ならば警察も最悪の結果を想定した上で行動するべきでしょう。しかし、今回も警察は事態を静観したまま動こうとはしませんでした
繰り返しになりますが、警察を当てにせず自身で身を守るよう行動すべき、というのが自分の考えです
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