マヤ文明の古代遺跡を発見した15歳の少年

先週、カナダの15歳の少年がマヤ文明の古代都市遺跡を発見した、との報道がありました
しかし、発見したとは報じられたもののこの少年、ウィリアム・ガドリー君は現地へ赴いた事実はなく、「22の星座の星の並びが117のマヤの都市に一致していることを確認したガドリー君は、23番目の星座の星の一つに一致する都市がないことに気づきます。その場所は、メキシコのユカタン半島。ガドリー君はカナダの宇宙局に事情を説明し、当該箇所の衛星写真を撮影。そして、ピラミッドと思われる古代都市の一部の発見につながった」というものでした
現地はジャングルの奥深くにあるため、実地での調査は難しい、との話です
しかし、ガドリー君が手がかりにした「星座の星の並び」はあくまでも西欧で用いられている星座表であって、古代のマヤ文明で用いられていた星座表ではありません。従って、彼の推測は前提そのものが間違っていたことになります
そして考古学者からはこの発見に異論が相次ぎ、たちまち信ぴょう性が失われる結果になってしまいました
R25配信記事を以下、引用します


「15歳の少年が古代都市発見」 ネットでガセ説
5月11日、「15歳の少年がマヤ文明の古代都市を発見した」というニュースが報じられたが、これをガセだとする説がネットに相次いで登場。検証作業が続いている。
話題となっているのは、海外で報じられたカナダの15歳の少年ウィリアム・ガドリー君の“世紀の発見”のニュース。ガドリー君は、「マヤ文明の古代都市は、星座の並びと一致しているのでは?」との仮説を立て、22の星座の星の位置が117のマヤの都市に一致していることを確認。対応する都市がない星が見つかったため、カナダの宇宙局に連絡し、航空写真を確認したところ、マヤ文明の古代都市が発見された
──というのがこのニュースのあらすじだ。
しかしこのニュースが報じられると、マヤ考古学者でフォトグラファだというツイッターユーザーが、
「ガセです。ジャングルの中には一杯、マヤ遺跡があるというだけのこと」と、一刀両断した。同ユーザーは、
「そもそも、西洋星座を二次元のマップに投影した「星図」の星の配置と合致するように、現実世界の地形上に都市を配置する、ということ自体がマヤ人の発想として『あり得ません』」
「星図通りに星座が配置されてるんじゃなくて、適当に遺跡の位置を拾っていけば西洋星座の形になる、ってやつですね」
「マヤの星座は幾つか分かって来てますが、いずれも西洋星座とは異なりますね」
(ツイートを一部抜粋)
と、その根拠を列挙。また海外の専門家からも、「発見された古代都市はミルパ(焼き畑)の跡」と、発見に疑義を呈する声が寄せられており、ガドリー君の旗色は非常に悪いようだ。
(以下、略)


もちろんガドリー君は嘘をついたのではなく、自分の発想にしたがって仮設を組み立て、カナダの宇宙局に申し入れたのでしょう
ですからガドリー君を批判するのは誤りです。今回の発見が当たりなのか、外れなのかは現地調査をしない限り不明なままです
もし外れだったとしても、ガドリー君には奮起してもらい将来は考古学の道を歩んでもらいたいものです
衛星写真から古代の遺跡を発見しようとの試みは珍しいものではなく、よく用いいられる手法です。ナスカの地上絵のように、衛星写真や航空写真によって新たな発見がもたらされている例があります
マヤ文明の場合、多くの遺跡がジャングルに埋没しているため、まだまだ全容解明には至っておらず、未知の巨大都市の遺跡が眠っている可能性があります

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