豪次期潜水艦 日本は脱落と報道される
オーストラリア海軍が導入を計画している次期潜水艦建造で、政府は共同開発の相手をドイツとフランスに絞り込み、日本を除外する決定をしたと報じられています
地元オーストラリア公共放送(ABC)が伝えたものですが、この決定は来週政府が公表する、としています
日本が脱落か 入札で「熱意が欠けていた」と地元メディア
オーストラリア公共放送(ABC)は20日、主要閣僚らで構成する国家安全保障会議(NSC)が、次期潜水艦調達計画の共同開発相手をドイツとフランスに絞り込み、日本を除外する決定を下したもようだと伝えた。同放送は、決定内容は来週にも発表されるとしている。
同放送は、19日夜に開催されたNSCのこの決定が、「最終判断かは不明」ともしている。日本が脱落した根拠として、豪州政府担当者らが、入札で日本側に「熱意が欠けていた」ことを懸念したとした。
調達をめぐっては、米国政府の元高官らが、同じ同盟国である日本からの調達を推していた。だが、同放送は、オバマ米大統領が、調達は「主権」に従いなされるものだと、ターンブル豪首相に確約したことにも言及した。
日本、ドイツ、フランスが受注を目指す豪次期潜水艦12隻は建造費だけで500億豪ドルかかる豪州史上最大の防衛装備品調達。豪国防省は各国提案の潜水艦能力を検証する「競争評価手続き」を終え、ペイン国防相が、NSCに報告していた。
豪政府の潜水艦選定をめぐっては、親日派とされたアボット前首相や米国が日本の「そうりゅう」型を支持し、本命視されてきた。だが、独仏が豪州国内建造比率引き上げでアピールし、巻き返しを図っていた。
(産経新聞の記事から引用)
日本の「そうりゅう」型を導入しないのであれば、それはそれでオーストラリア政府の判断であり、論評する必要もありません
しかし、上記の記事にある「日本は熱意にかけていた」とのコメントは意味不明であり、何が何やら、と言うほかありません
オーストラリア政府や海軍関係者への賄賂が少なかった、のが不満なのでしょうか?
現在、オーストラリア海軍が使用しているコリンズ級潜水艦(3300トン)はスウェーデン海軍のヴェステルイェトランド級を拡大したものです。これをオーストラリア国営の造船所で建造したのですが、技術が未熟で品質管理もデタラメなため欠陥だらけの潜水艦として有名です(6隻建造したものの、まともに稼働できるのはようやく1隻という惨状)
次期潜水艦建造計画でオーストラリア政府は「雇用対策のため国内での建造」を条件にしてきました。しかし、オーストラリアの国営造船所にまともな潜水艦建造能力がないのは明らかです
それでも日本は「そうりゅう型」潜水艦をオーストラリアの要求仕様に改造した上で、2番艦以降はオーストラリア国内で建造すると、大幅な譲歩案を提示しました
にも関わらず「日本は熱意に欠ける」と言うのですから、何をいまさら…
性能や仕様だけでなく、何やら政治的な意図が働いていると勘ぐるしかありません
ちなみにドイツやフランスは、オーストラリアが要求しているところの4000トン級の大型潜水艦の建造実績はなく、既存の潜水艦を4000トンに拡幅するという机上のプランを提案しているだけです。ヨーロッパの沿岸で活動する目的の小型潜水艦を造ってきたドイツやフランスに、外洋で長期間活動する大型潜水艦が作れるのかは疑問であり、欠陥だらけのコリンズ級潜水艦の二の舞いになる懸念があります
オーストラリア政府がこの実績のない、机上のプランに飛びついた上で、建造技術のない国営造船所で造る判断をしたなら、それまででしょう
時間と予算を注ぎ込んで、わざわざ成功の可能性の乏しい計画を採用する、という選択ですが、それも仕方がないと書いておきます
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