広島・中3自殺 誤った万引き容疑で進路指導
昨年12月、広島県府中町の中学3年生の男子生徒が自宅で自殺した背景には、生徒の指導要録に「1年生時に万引きをした」という誤った情報が記載されていたため、私立高校の受験の校長推薦を取り消されていたとの事実が浮上しています。ただし、担任教師はこの生徒に対し、廊下での立ち話で「過去に万引きの非行事実があるため推薦できない」旨を伝えており、片手間のような指導のあり方が問題視されます
広島県府中町立府中緑ケ丘中3年の男子生徒(当時15歳)が誤った万引き記録に基づく進路指導を受けた後に自殺した問題で、実際に万引きをした生徒の氏名に訂正した正式な生徒指導資料が、学校の共有サーバーに保存されていたことが9日、分かった。担任は進路指導の際に正しい指導資料を使わず、サーバーの別フォルダーにあった訂正前の資料を使用していた。
同校の坂元弘校長によると、2013年10月6日、「万引きをした生徒がおり、保護者に連絡してほしい」と被害店舗から連絡を受けた学校職員が、生徒指導部の担当教諭に万引きをした生徒の名字だけを口頭で伝えた。
この教諭は生徒指導会議用に配布した資料に、自殺した男子生徒の氏名を誤って記載した。同8日の会議で氏名の誤りが指摘され、資料はその場では訂正されたが、学校の共有サーバーに保存されたデータは修正されなかった。
指導部の教諭は同月末、修正した記録を町教育委員会に提出した。その後、正式な記録は別フォルダーに保存されて教諭が閲覧できる状態にあった。進路指導の参考にした修正前の資料は3年生を担当する教諭の一人が学校のサーバー内から見つけ、3年担任の他の5人に配ったという。
坂元校長によると、学校が推薦基準に非行歴の勘案対象を3年時だけでなく1、2年時も含めると改めたのは昨年11月で、過去の資料の閲覧などはマニュアル化されていなかった。坂元校長は「進路指導に関しては各教師の裁量に任せていた。何の指示もなく、マニュアルなども決めていなかったことは大変問題だと認識している」と話した。
また、担任教諭は昨年11月16日から男子生徒が自殺した12月8日までの計5回、進路指導の際に男子生徒に万引きの事実を確認したが、「生徒の返事が曖昧で明確な否定もなかったため、確認がとれたと判断した」と釈明しているという。
いずれも指導は廊下で5〜15分程度だった。学校側は「生徒の非行歴を含む重要な進路指導が廊下で行われたことは非常に問題。来年度から準備室のような場での指導を教員に指示していく」としている。
(毎日新聞の記事から引用)
生徒1人を死に追いやったという事態に鑑みれば、あまりに杜撰な学校の対処が浮かび上がってきます
この担任教師に関しては指導が不適切だったとして口頭での訓戒がなされる程度であり、それ以上の処罰はないと考えられます
「生徒を死に追いやっても誰も責任を負わない」というのが、日本の教育行政の現実であり、これでは何も改善などされないと見て間違いありません
担任の教師にすれば、与えられた情報(たとえそれが誤りであっても)に基いて進路指導をしたのであり、何ら落ち度はなかったと主張するのでしょう
こうした不祥事が明るみに出ると、即「第三者委員会」による糾明というのが最近の風潮です。もちろん「第三者委員会」のメンバーには公費から報酬を支払うのであり、町民の税金がこの事件の後始末に使われるわけです
自殺した生徒の親は今後、町を相手取って損害賠償請求の訴訟を起こすと思われます。賠償金ももちろん、町民の税金が使われます。校長や担任が負担したりはしません
たとえ学校側の責任を問おうとも、進路指導のマニュアルを定めていなかった教育委員会の側にも責任の一端があるとかで、誰に責任があるのか有耶無耶になってしまう可能性が大です
今後の展開を注視しましょう
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