札幌連続爆弾事件を考える2 名須川被告に懲役20年を求刑
札幌市で起きた連続爆破事件で、50歳代の主婦名須川早苗が容疑者として逮捕されたとき、誰もが意外な思いにとらわれたのではないでしょうか?
ガスボンベを使って警察関係者を狙う手口から、過激派によるテロを想像した人もいるはずです
50歳代の主婦がこんな大胆な犯行を、しかも繰り返しやってのけるものなのかと思った人たちは、「名須川容疑者は冤罪。真犯人は他にいる」説に同調するのでしょう
インターネットでこの事件について検索すると、ブログ等で「冤罪説」を語っている人の多さが目につきます
さて、取り上げるのが遅くなりましたが名須川被告の裁判員裁判が2月14日から札幌地方裁判所で始まっています
名須川被告は14年1月27日朝、札幌北署駐車場でボンベを爆発させて署員の車のバンパーを損壊したほか、2~4月にかけ、量販店や大型商業施設、警察宿舎など4カ所でも相次いでボンベを爆発させ、トイレを焼いたり、窓ガラスを壊したりしたとして起訴されました
しかし、名須川被告はこれを否定しています。ただし、別件の窃盗罪は認めています(2013年11~12月に札幌市内のコンビニエンスストア4店舗で、年賀はがき計約1900枚=約20万円相当を盗んだ容疑)
この窃盗事件での取調べで警察官に恨みを抱き、ガスボンベによる犯行を繰り返すにいたったというのが検察側の立件の骨子です
札幌市北区で2014年に相次いだカセットコンロ用ガスボンベの爆発事件で、激発物破裂罪などに問われた同区の主婦名須川早苗被告(53)の裁判員裁判が2日、札幌地裁(田尻克已裁判長)であった。
検察側は懲役20年を求刑し、弁護側は爆発事件については無罪を訴えて結審した。判決は11日。
これまでの公判で検察側は、14年4月に被告宅から押収した、事件に使われたボンベの種類や本数を記したメモなどを、証拠として提出。メモが被告宅の押し入れから発見された点も明らかにした。
一方、名須川被告は一貫して爆発事件への関与を否認。被告人質問でも「メモは真犯人から自宅へ届けられた(ボンベの種類などを記した)コピー用紙の内容を書き写しただけ」などと主張していた。
(読売新聞の記事から引用)
那須川被告は犯行に使われたボンベの種類、本数を書き留めたメモについて、「真犯人とみられる第三者が被告宅に投函した紙を書き写した。(犯行現場近くの)防犯カメラに映っていたのも、別の用件などで訪れただけ」と主張していました
釈明にしてはお粗末です。那須川被告が事件と無関係ならば、なぜ複数の犯行現場近くで、犯行の起きた時刻に居合わせたのでしょうか?
名須川被告の行動を予想した第三者が先回りし、ガスボンベ爆弾を仕掛けたなどという可能性は皆無です
そもそも那須川被告はコンビニエンスストアで年賀状を大量に万引きしており、これは明らかに転売目的だったのでしょう。店内には防犯カメラがありますので、名須川被告の犯行だと特定するのは容易だったはずです
この窃盗事件での取調べを逆恨みし、犯行を計画したのですから八つ当たりもよいところです。警察官と揉めた経緯は記事になっていませんが、防犯カメラの映像があるにも関わらず、那須川被告は万引きを否認したため、罪証隠滅の虞があるとして逮捕・勾留されたのではないかとも考えられます
万引き程度で逮捕・勾留されるはずはないと思っていた那須川被告は憤慨し、屈辱的な扱いを受けたと恨んだのかもしれません
そして今、懲役20年の求刑を受け、怒り狂っているものと推測します
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