諫早女児殺害事件 賠償金支払われず再度、提訴

いつもであれば年明けの1月から2月初旬まで、仕事の方は結構暇な時期にあたるのですが、今年は例外で多忙を極めています。所属先の方も従業員を増やし、幾分は負担も軽減しているものの、新人に仕事を教える必要もあってなかなか大変です
余談はここまでにして、2001年に起きた長崎県諫早市で小学1年の女児が殺害された事件を取り上げます
犯人は無期懲役で服役中ですが、民事訴訟判決で命じられた遺族への損害賠償支払いに応じず、民事判決の時効が到来するため、再度損害賠償請求の民事訴訟を起こした、と報じられています


長崎県諫早市で2001年に小学校1年の女児(当時7)が殺害された事件をめぐり、加害者の吉岡達夫受刑者が事件後の民事訴訟で命じられた賠償金を一度も支払っていないとして、女児の遺族が吉岡受刑者を相手取り、同額の賠償を求める訴訟を改めて福岡地裁に起こした。
提訴は9日付。原告代理人によると賠償を命じた判決は来年1月で確定から10年を迎え、民法の規定で失効するため、同じ内容の訴訟を起こした。専門家によると、遺族がこうした訴訟を起こすのは珍しいという。
吉岡受刑者は下校中の女児を連れ去って殺害したなどとして無期懲役の判決を受けた。遺族は吉岡受刑者に損害賠償を求める訴訟を長崎地裁大村支部に起こし、05年12月に約7千万円の賠償を命じる判決があり、翌年1月に確定した。
女児の父親(60)によると、吉岡受刑者から支払いや謝罪は一度もないという。
「10年たって終わったと思っているかもしれないが、娘の命はそんなに軽くない。娘の名誉を守るために提訴した」と話す。
犯罪被害者支援に詳しい諸沢英道・常磐大国際被害者学研究所教授によると、被害者や遺族に賠償が支払われないことは少なくないが、再び民事裁判を起こすのは珍しいという。「犯罪の損害賠償に時効があるのは法制度の欠陥。賠償しないと仮釈放しないといった、法改正や被害者支援の充実が求められる」と話す。


記事の文末に、「再び民事訴訟を起こすのは珍しい」と識者のコメントが書かれています。しかし、自分が記憶する限り、同種の民事訴訟のニュースを最近だけでも2件目にしており、決して珍しい事案として片付けられるものではありません
与党も野党も、国会でクイズショーのような真似をせず、被害者支援のための刑事政策を議論してもらいたいものです
さて、話が戻して、2001年の長崎県諫早市で起きた殺人事件を振り返ってみましょう。以下は事件当時の報道です


諌早女児殺人:「山に行く途中で殺した」容疑者が供述
長崎県諌早市北諌早小1年、川原和未子(なみこ)ちゃん(7)殺害事件で未成年者誘拐容疑で逮捕された長崎市本原町、無職、吉岡達夫容疑者(23)が「(遺体を捨てた)山に行く途中で殺した」と供述していることが分かった。
さらに吉岡容疑者は「事件前に度々諌早に行っていた」とも供述。諫早署捜査本部は誘拐の下見をしていた可能性もあるとみて追及している。
吉岡容疑者は逮捕前、捜査員に任意で事情を聴かれた際、事件当日も含めて諌早に行ったことは認めたうえで、大型家電量販店での買い物などが目的と答えていた。しかし、調べで、店を訪れた形跡はなかった。
捜査本部は、和未子ちゃんの胃に12日の学校給食の一部が未消化で残っていたことなどから、殺害時刻は最も遅くて午後6時ごろとみている。捜査本部は殺害した場所などを特定し、近く殺人と死体遺棄容疑で再逮捕する。


吉岡受刑者は高校生のとき、女児にわいせつ行為をして逮捕されており、本件の裁判ではペドフェリアとする精神鑑定結果が出ています
被害者遺族は吉岡受刑者の両親にも、息子が女児にわいせつ行為を繰り返していたにも関わらず適切な治療を受けさせず、親としての注意義務を怠ったとして損害賠償請求を提起していたのですが、裁判所は将来の犯罪を予見するのは不可能だったとして両親の責任は認めませんでした
吉岡受刑者の親は損害賠償裁判に至る前に、何がしかの謝罪をし、慰謝料支払を申し出るなど対処の仕方はあったはずですが、それをしなかった理由は分かりません
無期懲役で服役している吉岡受刑者が何を考えているのか、それも不明です
このまま謝罪もせず、賠償もせず、仮釈放もないまま刑務所の中で一生を終える気でいるのでしょう

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