日本の火星探査は2022年予定

日本による火星探査計画が報じられています。火星を回る衛星フォボスの石を持ち帰ろうという野心的な計画であり、「はやぶさ」の経験と実績を活かしたものになりそうです
日本は1998年7月にM-Vロケット3号機により火星探査機「のぞみ」を打上げたのですが、機体のトラブルにより火星周回軌道への投入を断念しています
その時も、「予算の無駄遣い」だとする批判が山ほどあり、結果として火星探査はこれまで見送られてきた、という経緯があります


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年に、火星の衛星に向けて探査機を、開発中の新型ロケット「H3」で打ち上げる計画をまとめた。
目指すのはフォボスで、火星の歴史や衛星の成り立ちを探るため、約10グラムの石や砂を採取し、打ち上げから約3年後に地球に持ち帰る計画だ。火星の衛星への離着陸に成功すれば、世界初となる。JAXAによると、探査計画には東京大や北海道大、神戸大などの大学が参加する。
火星にはフォボスとダイモスと呼ぶ衛星二つがあり、火星からの距離はフォボスの方がダイモスに比べて約3分の1と近い。このため、フォボスの表面には、太古の火星に隕石いんせきが衝突した際に飛び散った火星の石などがより多く堆積している可能性がある。
(読売新聞の記事より引用)


フォボスは火星の引力に捉えられた小惑星と考えられますので、火星とは生立ちが異なり、地質も別物です。しかし、上記の記事にあるように火星から飛び出した石がフォボスに堆積している可能性がありますので、間接的ながら火星の地質を知る手がかりになります。直接サンプルを持ち帰ることにより、より精緻な研究が可能になります
さて、諸外国の火星探査はどうなっているのでしょうか?
ロシアと中国が共同で打上げた火星探査機が失敗した件は、以前にも当ブログで書きました。一方で、インドの火星探査機「マンガルヤーン」が2014年9月に火星周回軌道に投入されており、アメリカ、旧ソ連、ヨーロッパ連合に次ぐ快挙を成し遂げました
ここ最近ではアメリカが続けて火星探査機を送り込んでおり、力の入れようが際立っています
中国はロシが2011年に打上げた火星探査機「フォボス・グルント」に独自の探査機を相乗りさせて火星を目指したものの、地球圏から離脱できずにチリ沖に落下して終わっています
次回は単独で火星探査を目指す計画のようで、2020年に軟着陸を目指すとしています。さらには2030年には火星の石を地球に持ち帰る予定なのだとか
火星は地球の3分の1程度の重力があります。そのため火星の石を地球に持ち帰るには火星の重力を振り切るだけ推力のあるロケットが必要です
そのため「フォボス・グルント」のように着陸した探査機で採取した石を、火星周回軌道まで小型ロケットで打上げ、軌道上に待機していた母船で回収後、地球に向かわせる算段だと予想されます

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