室井佑月「安倍支持率上昇」を嘆く

毎度、週刊朝日で安倍政権批判を展開する作家室井佑月のコラムから、最近のものを紹介します
自分は政治に関して保守層に属しますが、安倍政権を批判するのを「けしからん」などと言うつもりはありません
しかし、野党政治家やジャーナリスト、政治評論家、知識人(室井佑月がそこに含まれるのかは疑問ですが)などなどが、明確な政策批判もできないまま空疎に「アベ政治を許さない」と連呼している姿には辟易とします
政策のどこが間違っているのか、どのようにすればよいのか対案を示して批判すべきでしょう。室井佑月にももちろん、対案など提示できないのでっしょうが


室井佑月 安倍内閣の支持率アップに「どういうこと?」
(前略)
安倍政権はいってることと、やってることが違う。はじめに国民のための理想があって、それが大変で断念しているわけではない。はじめから国民を騙そうと画策しているようにあたしには見えてしまう。
たとえば、消費税を上げるにつけ、低年金者には3万円のバラマキをするんだとか。
けど、今回の世論調査の結果を見れば、そういうことで騙される人はたくさんいるみたいだ。
なにしろマスコミが政権批判をしなくなった。ニュースも新聞も、政権からのリークネタばっか。「アベノミクス新三本の矢」を大々的にニュースにするなら、その前に以前大々的に取り上げた「アベノミクス三本の矢」の総括をしなくてはならないのに。
確実に多くの国民が貧乏になっていってるんじゃないか。あと、何年くらい我々はのほほんと騙されていられるんだろう。
2020年、オリンピックまでか。つーか、この国は借金が1054兆円もあるってーのに、まだ使える大箱の施設を壊し、新しい大箱をつぎつぎに建てる。もちろん、それも借金だ。
「どこか狂ってる」「なにかおかしい」。そう思い、変わらぬ今日に不安を覚えるのは、あたしだけじゃないはずだ。


国立競技場は築後57年を経過しており、現在のIOCの要求基準からすれば客席数が足りません。ですから、国立競技場を「まだ使える」と言うのは室井佑月の認識不足であり、これで安倍政権を批判するのは筋違いです
競技場の設計案を巡るドタバタを問題視するのならまだ理解できますが
次に「国の借金1054兆円」も、中身を吟味しないままメディアや財務省の言い分を鵜呑みしているだけであり、もっと情報を精査して論じるべきでしょう
日本の一般会計は約100兆円ですが、これとは別に特別会計というものが存在します。特別会計に関しては「使途が決まっており、勝手に流用できない」と財務省は説明します
しかし、本当にそうなのでしょうか。予算は各会計(勘定)ごとに明確に区分し、これをみだりに流用するのを法律で禁じています
ならば法律を改正し、財政硬直化の現状を打破するという政策提言も可能なわけです。しかし、財政を勉強もせず批判を口にする室井佑月にはこうした財政論議は理解できないのでしょう
特別会計は官僚がその執行を牛耳っています。特別会計は一部重複している勘定が存在するのの、概算で195兆円あります。そのうち約90兆円分が国債の償還費です
この一般会計と特別会計の区分を定めた財政法を改正し、一般会計に組み入れれば国の予算の仕組みはがらりと変わります
使途が決っているとしても、国債償還費を除く100兆円の特別会計を毎年全額執行する必要があるのか、国会で議論してはどうかと思うのです
野党の国会議員も勉強不足で特別会計の中身については、財務省官僚からレクチャーを受けないと理解できないのかもしらません
しかし、100兆円の特別会計のうち1兆円の執行を見合わせ、当面の必要な政策経費に充てるだけでもさまざまな事案を解決できるのです
国立競技場の建設費1500億円を捻出することも可能です
東日本の震災からの復興のための特別会計が、直接震災とは無関係な事業に使われていた事実もあります。これは各省庁の官僚が「復興」の名目を拡大解釈し、被災地の復興に直結もしない勝手な事業をでっち上げ、予算を食い潰しているがゆえの出来事です
こうした官僚による無駄遣いをチェックするのも野党の役割なのに、それを果たすだけの知識も経験もないのが実状です
民主党は労働組合出身者を参議院議員候補に仕立て、議席を獲得しています。しかし、労組出身の参議院議員がどのような仕事をしているのか不明です。野党側から大胆な政策提言をし、財政運営硬直化を打破するような意見を吐くべきなのにそれをやってのける人材がいません。頭の悪さ丸出しで、「アベ政治を許すな」と叫ぶことしかできない野党に何も期待できないのです
室井佑月も週刊朝日で愚痴っていないで、少しは政策・財政について勉強してはどうかと思います

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