石田純一の「反知性主義」発言を考える

すでに法案が成立している安全保障関連問題で、まだまだ反対派は矛を収める気はなく、法律の廃止を求めて無益な闘いを継続する構えです
SEALsが来年の夏の参議院選挙を睨んで野党への働きかけを続け、シンクタンクを設立したとの報道もありました
それはそれで構わないのですが、どうにも「安全保障関連法」反対の中身がすかすかで、理論的な肉付けが不十分なままです(下手に理論付けようとすると、その無謀な企てがバレてしまうので、あくまでの感情論に訴え純真な若者を取り込もうという戦術なのでしょうか?)
SEALsに賛同する人たちの無知をことさら印象づけたのが、俳優の石田純一による発言です
以下、12月10日付けの産経新聞の記事を引用します


安全保障関連法をめぐり、「反知性主義」という耳慣れない言葉が飛び交っている。
その定義や解釈は別として、主に安倍晋三首相に対する批判に用いられることが多い。安保関連法の廃止を求める学生グループ「SEALDs(シールズ)」などが6日に開いた集会に、「サプライズゲスト」として登場した俳優の石田純一氏も、この「反知性主義」を連呼した。
「ちょっと酒を飲んでも、街を歩いていても、『君の言っていたことは間違っている。中国が攻めてきたら丸腰でどうやって戦うんだ』とよく言われる」
石田氏は集会で自らのエピソードを交え、こうした懸念を「反知性主義」と断じた。
これまでも安保関連法に反対の立場を鮮明にしてきた石田氏は「中国が攻めてきても、周辺事態法があり、小渕(恵三元首相)さんも言っていた。『日本の周辺だ。ここは守れる』。これを個別的自衛権という」と解説したが、安保関連法をどこまで読み込んできたのか疑わしい。
朝鮮半島有事や台湾海峡有事を想定した周辺事態法は、安保関連法の一部として重要影響事態法に改められた。自衛隊の活動範囲に地理的制約がないことを明確にした上で、支援対象を米軍以外にも拡大し、支援メニューも増やした。
石田氏がこれを「重要『環境』事態法」と読み違えたのは論外として、周辺事態法はあくまでも自衛隊による米軍への後方支援を定めた法制であり、「自衛権の行使」とは異なる。石田氏は小渕元首相の言葉を引用したようだが、どういう発言を引用したかは判然としない。
石田氏は「世界一平和で安全な国をなぜ変える必要があるのか。本当に危惧している」とも訴えた。だが、中国や北朝鮮が軍事的緊張を高める北東アジア地域の安全保障環境は、国際的に見ても極めて危うい地域となっている。
国家の存続と国民の安全を守るには、とても「丸腰」ではいられない。力による現状変更を試みようとする勢力に対し、侵略を思いとどまらせる「抑止力」を持つことは、「反知性主義」なのだろうか。


「周辺事態法」の誤解や、「重要環境事態法?」発言は石田純一の理解不足を如実に物語っており、その程度の認識でSEALsに擦り寄っているのですから苦笑するしかありません。さらには石田の擦り寄りを歓迎するSEALsの対応にも、うんざりさせられます
所詮彼ら、彼女らがやっているのは法律の中身や具体的な安全保障政策などについて議論を深める方向とは真逆の、「戦争法案だ。憲法違反だ」としか叫ばない幼稚な反対運動でしかないのでしょう
そんな煽りに載せられ、蛍光灯に惹き寄せられる蛾のごとくSEALsに接近するタレントもいるわけです
上記のような、「北朝鮮攻めてきたらどうするのか?」との問いに対してSEALsは、「自分たちが対処します。一緒に酒を飲んで語り合います」と回答しています。朝鮮語が得意なSEALsの面々にとっては当然の対応なのでしょうか?
朝日新聞などは、「いまでもなお、高校生が全国各地で法律(安全保障関連法)に反対し、平和を呼びかける活動をしている」などと嬉しげに取り上げていたりします。が、高校生ともなればもっと安全保障問題に踏み込んだ議論をするべきであり、議論を回避して「平和」だの、「戦争反対」だの耳当たりの良いフレーズだけを叫ぶのは大間違いでしょう
そうした無知の発露こそ、反知性主義だと言えます

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