新聞に軽減税率適用で批判

消費税の引き上げを巡り、何が軽減税率適用の対象になるのか、その線引が毎日のように報じられています
ところがそうした議論もなく、すでに新聞(日刊紙として宅配されているもの)は軽減税率適用で決定済みだと明かされ、疑問の声が湧き上がっています
J-CASTニュースの記事を以下、引用します


新聞は生活の必需品なのか 軽減税率適用に「そんなバカな」と批判高まる軽減税率の食料品への適用範囲をめぐる自民・公明の攻防の裏で、与党は新聞にも軽減税率を適用する方向でひっそりと合意していた。ここ数年間、新聞各社や業界団体の日本新聞協会は、新聞が「豊かな国民生活を維持するのに欠かせない公共財」などとして軽減税率の適用を主張した。
水道、電気やガス、携帯電話といったインフラも「公共財」のはずだが、今のところ適用を勝ち取ったのは新聞、それも定期的に宅配される新聞だけだ。まさに「ロビー活動の勝利」だとも言え、早速「そんなバカな!と多くの国民は感じていると思うが、これが政治の現実」「非常に強い違和感」といった冷ややかな声もあがっている。
駅売りが多い夕刊紙やスポーツ紙は含まれない?
新聞への軽減税率の適用は、2015年12月14日に行われた自民、公明両党の税制調査会で方針が固まった。対象となる新聞の範囲や書籍・雑誌の扱いを詰めた上で、16日にも正式決定される16年度の与党税制大綱に盛り込まれる見通しだ。
現時点で適用が濃厚なのは「宅配などを通じて定期購読契約を結んだ日刊新聞」。雑誌や、駅売りが多い夕刊紙やスポーツ紙は今のところ適用対象に含まれていない。
日本ABC協会のまとめによると、朝日、毎日、読売、日経、産経の5大紙の朝刊部数(15年1〜6月平均)を合計すると2355万1404部。そのうち販売店経由が98.6%を占めている。今回の適用は事実上、この5紙と全国の地方紙やブロック紙を念頭に置いているとみられる。日本新聞協会経営業務部の調べによると、14年度の新聞社92社の販売収入は1兆765円。この額から推定すると、軽減税率で200億円程度の増税を免れることになるとみられる。
(以下、略)


新聞離れが進んでいる昨今の風潮からして、新聞社には朗報なのでしょう
しかし、国民一般にすれば新聞を特別扱いする理由が理解できず、「政権批判を控える見返りとして、軽減税率適用の裏取引ではないか」と勘ぐりたくなるのも当然です
新聞の発行部数減少に関しては幾つもの統計・推計があり、最大で2014年10月に比べ160万部減っているとする情報があります。毎年100万部の数で発行が減れば、10年もしないうちに各新聞社は倒産の危機を迎えるものと予想されます。消費税の軽減だけで「新聞離れ」を食い止めるのは無理でしょう
新聞社の生き残り策は別の問題なので、今回は踏み込みません
言うまでもなく税制は公平であることが求められます。しかし、10%の消費税がかかるものと、そうでないものには明確な差が生じます。広く国民に負担を強いる消費税問題なのに、新聞に関しては具体的な議論も明かされないまま政府案で軽減税率適用が決っているのですから、誰もが不審に感じるはずです
そもそも新聞より、水道やガス、電気といった公共料金の議論の方が先にあるべきで、なぜ新聞だけが優先されるのか不可解です
野党は1月から開かれる国会で、この問題をきちんと議論できるのでしょうか?

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