江戸川区女子高生殺害事件を考える１ 「興味半分で殺した」
東京都江戸川区で、コンビニエンスストアのアルバイトをしていた女子高生が同じ店で働いていた男に殺害される事件がありました
逮捕時、犯行動機を「興味半分でやった」と供述したらしく、その発言だけが切り取られて一人歩きしている感のある報道がされています
しかし、事件直後に逮捕された犯人が、自らの犯行について理路整然と語るはずもなく、逮捕直後の発言だけをとらえ、それが犯行動機のすべてであるかのように扱うのは事件の意味を読み違える危険があります
東京都江戸川区のアパート一室の浴室で１４日、女子高生の遺体が見つかった事件で、警視庁小岩署に強盗殺人容疑で逮捕されたこのアパートに住むアルバイト、青木正裕容疑者（２９）が、「生活が苦しくて自暴自棄になっていた。殺したのは興味半分」と供述、容疑を認めていることが１５日、同署への取材で分かった。
青木容疑者は「前の勤務先を辞めて全てがいやになり、私の全てを終わらせようという意味でやった」とも供述。
遺体は同区本一色の高校３年、岩瀬加奈さん（１７）で、同署は司法解剖して死因を調べる。
逮捕容疑は、１２日午後２時ごろ、自室で知人の岩瀬さんの首を絞めて殺害し、バッグなどを奪ったとしている。
同署によると、青木容疑者は１０月まで岩瀬さんと同じコンビニ店で勤務していた。１２日午後１時過ぎ、共通の趣味のアニメを持ち出して岩瀬さんをお茶に誘い、一緒に帰宅した直後に後ろから羽交い締めにし、岩瀬さんのブレザーで首を絞めて殺害したと供述しているという。
岩瀬さんの家族から捜索願の提出を受け、同署が最後に接触を確認した青木容疑者の行方を追っていた。
（産経新聞の記事から引用）
青木容疑者が金に困っていたのは事実でしょう。しかし、コンビニエンスストアでアルバイトをしている女子高生が大金を持ち歩いているはずもなく、金を奪う目的の犯行だと決めつけるのは無理があります
「興味半分でやった」とか、「私のすべてを終わらせようという意味でやった」などの発言を繋ぎ合わせたところで、事件の意味が直ちに浮かび上がってはきません
まずは青木容疑者がどのような人間だったのか、前の職場で何があったのか、知る必要があります
通常なら強姦目的で部屋へ被害者を誘い込み、誤って殺害してしまったという事件のように思うのですが、さてどうなのでしょうか？
こうした事件があると、「男に誘われるまま、部屋へ行く女の方にも問題はある」との意見も出ます。被害者が青木容疑者をどう思っていたのか、好意を抱いていたのかは分かりません
ただし、被害者が青木容疑者に多少なりとも好意を抱いていたとしても、それで青木容疑者による殺人行為が正当化されるはずもなく、罪が軽減されたりもしないのです。むしろ、自分に好意を抱いていた相手をむざむざと殺してしまう、好意を裏切る行動の方がはるかに問題です
続報を待って、さらに考えてみようと思います
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