川崎３人転落死老人ホーム　問題だらけの実態: 夾竹桃日記

2015年11月13日

川崎３人転落死老人ホーム　問題だらけの実態

川崎市の老人ホームで入居者３人が相次いで転落死をするという不可解な事件は、まだ事故であるのか施設職員による犯罪なのか、定かではありません

しかし、この「Ｓアミーユ川崎幸町」をはじめとする有料老人ホームを経営している運営会社「積和サポートシステム」、「メッセージ」関連の老人ホームでは、数々の問題が発生し、それを監督する自治体にすら届け出ていなかったという実態が露呈しています

川崎市幸区の有料老人ホーム「Ｓアミーユ川崎幸町」で、入所者３人が転落して死亡したことなどを受け、厚生労働省は１３日、同ホームの親会社「メッセージ」（岡山市）の佐藤俊雄社長を同省に呼び、業務改善勧告を出し、職員への指導の徹底などを求めた。

勧告後、佐藤社長は報道陣の取材に応じ、死亡事故や虐待などが相次いで発覚したことについて、「大変重く受け止めている。グループ全体で何件の転落事故があったかは調査中だが、管理体制を見直し、再発防止に責任を持って取り組む」と話した。また、社内に第三者による調査委員会を設置したことを明らかにした。同社は調査委の答申を受けた上で、１２月中旬までに同省に改善報告を行う。

（読売新聞の記事より）

入所者３人が転落死した川崎市の有料老人ホームと同系列の東京都内の老人ホーム４０施設で、区市町村に報告が必要な事故が２０１０年から５年余で約７００件あり、大半が報告されていなかったことが、都の調査でわかった。施設と運営会社の情報共有が十分でなかったとして、都は１３日、介護保険法に基づき、運営会社「積和サポートシステム」（中央区）に業務改善勧告を出す方針だ。

川崎市の問題発覚後、都が同社や親会社「メッセージ」（岡山市）が運営する老人ホーム計４０施設内で起きた入所者の事故を独自に調べた。２社が提出した資料から、約７００件のうち区市町村に報告されていない事故が多数見つかった。

なかには、入所者が事故で死亡した事例が複数あり、食中毒になったり容体急変で救急搬送されたりした重篤な事案も含まれていたという。

（朝日新聞の記事より）

事故報告が必要とされる案件が５年間で約７００件もあり、しかも報告していなかったとなれば、業務改善勧告だけで済むのかと思ってしまうほど出鱈目な施設運営です。介護事業者として不適格、と判断されるレベルでしょう

１２月中旬まで改善報告をするとはなっていますが、改善するだけの能力がそもそも備わっているのかさえ疑問です

報告を怠っていたのは現場責任者の怠慢なのか、法令を理解していなかったためなのか（それでは介護施設を運営する資格すら疑われます）、会社が報告するなと命じていたのかも明らかにする必要があります

「入居者が事故で死亡した事例が複数あり」と記事ではさらりと流しているものの、それらの事案が本当に事故であったのか、疑ってかかるべきです。施設側が勝手に事故扱いをし、犯罪行為を隠蔽していた可能性も払拭できません

これだけ杜撰な運営でも業務停止を命令できないのはなぜか、との疑念も湧きます。厚生労働省にすれば、老人ホームのこの程度の杜撰は運営は想定の範囲内であり、特に悪質と言うほどではない、との考えなのでしょうか？

どうにもすっきりしない問題です

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