祇園暴走事故 損害賠償請求裁判

2012年、京都の祇園で赤信号を無視した車が歩行者をはね、7人を死亡させる事故がありました。運転してた男性はてんかんの持病があり、医師からは自動車を運転しないよう言われていたものの、会社の車で営業活動をしていたため事故を招きました
もう3年も経過しているのですが、この度遺族が損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした、と報じられています
いまだに事故の示談交渉がまとまらず、訴訟に至ったと知り驚きました


京都・祇園で2012年4月、軽ワゴン車が暴走し、通行人7人が死亡、12人が重軽傷を負った事故で、亡くなった3人の遺族が、車を運転していた呉服店社員の男(死亡、当時30歳)の両親と同店の女性社長(73)らに慰謝料など計約4600万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴したことがわかった。1日付。
原告は、亡くなった京都市の男性(当時40歳)と女性(同62歳)、埼玉県蕨市の女性(同62歳)の遺族計4人。
訴状などによると、男はてんかんの持病があり、医師から運転を止められていたのに、両親は勤務先に伝えず、社長は持病を知りながら配達業務を続けさせ、12年4月12日、京都市東山区の祇園にある交差点で、赤信号を無視して歩行者らをはねたとしている。


記事にもあるように、軽ワゴン車を運転していた藤崎晋吾容疑者は全身打撲で死亡しています。遺族は藤崎容疑者の両親と雇用主である社長を相手に損害賠償の示談交渉を続けてきたのでしょうが、妥結には至らず訴訟に踏み切ったわけです
この2012年の祇園の事故の前、2011年4月にてんかんの持病を持つ男がクレーン車で児童の列に突っ込み6人を死亡させる事故が起きています
当時はテレビでも新聞で大きく取り上げられた事故ですから、てんかんの持病がある藤崎容疑者がこの事故を知らなかったとは思えません
それでも藤崎容疑者は車を運転して営業を続けていたのであり、あまりにも無責任です
雇用主である会社の社長も藤崎容疑者の持病を知りながら日常の業務として車の運転をさせていたのであれば、重大な責任があります
「金は払いたくない」との思いなのか、「自分に責任はない」との思いなのかは分かりませんが、7人もの命を奪った事故の重大さから目を逸らし、逃げているようにしか思えません

追記:京都地裁は販売会社の賠償責任を認め、遺族1人に約4千万円を支払うよう命じた。親族と社長だけを訴えていた2遺族の請求は棄却しています

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交通事故と示談の仕方
自由国民社
2015-09-30
長戸路 政行

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