福岡女児遺棄事件を考える3 内間被告意識不明状態

今年2月、福岡県豊前市で小学5年生の女子児童を殺害し逮捕された内間利幸被告が、福岡拘置所小倉拘置支所で意識不明の状態に陥ったと、朝日新聞が報じています


福岡県豊前市で小学5年生の女児(当時10)を殺害したなどとして、殺人や死体遺棄などの罪で起訴されている土建業内間利幸被告(46)=同市=が8月日、勾留先の福岡拘置所小倉拘置支所(北九州市小倉北区)で意識不明の状態で見つかっていたことがわかった。病院に搬送され、現在も意識不明だという。
同拘置所などによると、内間被告は8月30日朝、1人用の単独房の布団の上で、うつぶせの状態で横たわり、いびきをかいた状態で見つかった。職員が呼びかけたが反応がなかったため、救急搬送した。目立った外傷はなかったという。内間被告は医師から睡眠導入剤を処方されていたという。
内間被告は1月末に女児の遺体をバッグに入れて自宅の押し入れに遺棄したとして、2月1日に死体遺棄容疑で緊急逮捕。3月6日に殺人や死体遺棄などの罪で起訴されていた。


いびきをかいて意識不明、となれば脳梗塞が疑われます。意識が回復しても重い障害が残る可能性があり、裁判を受けられる状態にまで回復するかどうか危ぶまれます
あるいは記事の中にある処方された睡眠導入剤を隠し持ち、まとめて服用することで自殺を図ったとも考えられますが
通常は就寝時間前に当日服用する分の睡眠導入剤を看守が渡し、目の前で服
用させます。服用したフリをして薬を隠匿されるのを防ぐためです。しかし、これが徹底されていないと、薬を飲んだフリをして隠し持ち、悪用されてしまう危険があります
さて、高槻市での少女殺害事件で逮捕された山田容疑者と同様、内間被告も沖縄で少女への強姦未遂事件を繰り返し、服役していた前科があります
少女を狙った卑劣な性犯罪を繰り返す者には、ただ懲役刑を科すだけではなく、その性的嗜好を改めるよう治療も必要だと考えます
ただ、それは性犯罪者自身に己の問題を自覚し、改善しようとする意志が必要です。改善しようとする気のない性犯罪者にカウンセリングをしても、時間の無駄であり何の効果もありません
「このまま性犯罪を繰り返し、刑務所を出入りする人生で終わってしまうのか」といった切迫感を抱いたり、「このままでは性犯罪の挙句、相手を殺してしまうかもしれない」という危機感を抱くなら、心理療法は有効です
でなければ、強制的に性欲を減退させる薬物を投与するしかありません。それには新たな法律の制定が必要です
法務省は性犯罪の厳罰化を進める方針ですが、それだけで性犯罪を抑制できるものではありません。性犯罪を繰り返す受刑者、元受刑者をどうするか、検討するべきでしょう
性犯罪者に服役中、薬物投与を義務付けるという新たな刑罰の形態を日本も導入すべきか、議論すべき時では?

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