熊谷6人殺害事件を考える2 任意同行も見失う
ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者が熊谷市内で6人を殺害した事件では、犯行前の9月13日に熊谷署がナカダ容疑者を任意同行していたと報じられています
しかし、警察が依頼したスペイン語の通訳が署に到着する前にナカダ容疑者が立ち去ってしまい、熊谷署は追跡しませんでした
埼玉県警は「犯罪容疑がなかったので」と釈明し、警察の対応に問題はなかったと言い張っています
しかし、警察は事件が起きてから捜査をするだけが仕事ではなく、犯罪を未然に防止する役割も担っているわけで、今回の対応は大いに疑問です
埼玉県熊谷市で6人が殺害された事件で、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)は13日、持ち物を残したま、赤信号を無視して国道を横断し、県警熊谷署を走り去った。その直前、ナカダ容疑者は住民に「カネがない」と話しかけており、同署は不審者と認識しながら追跡しなかった可能性がある。
15日に逮捕状を取った際も地域への注意喚起は行われず、住民は不信感を募らせている。
「カネがない」「警察を呼べ」。ナカダ容疑者は13日午後1時前、熊谷市内で住民にこう話しかけていたという。
連絡を受けた熊谷消防署玉井分署が熊谷署の交番に「片言の日本語で何か言っているが、意味が分からない」と通報。交番では「ペルーに帰りたい」などと繰り返し、スペイン語を発したため、通訳を介する必要があると判断。パトカーに乗せて署まで連れてきた。
ナカダ容疑者が手ぶらのまま署に面した国道に走り出したのは、通訳の到着を待つ同日午後3時半ごろ。玄関脇の喫煙場所でたばこを吸っていたところだった。警察官1人が付き添い、赤信号を強引に渡る姿を見ていたはずだが、交通量が多いとの理由で追跡をあきらめていた。署には現金約3400円やパスポート、携帯電話が入った荷物を置いたままだった。
「犯罪の疑いがなかったからだ」。県警の新井共実捜査1課長は17日の記者会見で後を追わなかった理由をこう説明したが、同署幹部は「外国人が(署に)物を置いたまま走り去り、信号も守らない」として、見つけないといけない「特異事例」との認識を持っていたことを明かした。
元警視庁捜査1課長の久保正行さんは「任意とはいえ、監視に問題があった。弁解の余地がない」と批判する。「逃げたということは重大事件に関与している可能性も考えられる。県警を挙げて行方を捜すべきだった」
(産経新聞の記事から引用)
13日の任意同行から姿を消したナカダ容疑者は、立て続けに殺人を犯し、6人の命を奪っています。熊谷署が警察署内にナカダ容疑者を留め置き、通訳人の到着をまって事情聴取をしていたなら、違う展開になっていたとも考えられるのです
早々に、「警察の対応には問題がなかった」と断言する埼玉県警の姿勢には驚きます。まだ、熊谷署から詳細な報告も受け取っていないのに、何を根拠に断言するのか、と
ナカダ容疑者は意識不明の重体とあって、警察はまだ取り調べにも着手できていないのに、「自分たちに責任はない」と言いたくて仕方がないようです
犯罪を防ぐ役割を果たせなかったのですから、もっと謙虚に事件を調べ、熊谷署の対応を検証して公式な見解を表明すべきです
先日、埼玉県警の現職警察官による強盗殺人事件が起きたばかりなので、警察組織全体が浮ついてしまい、言い逃れありきと映ってしまいます
警察関係者はその職務の重さ(これは国民から寄せられる信頼の厚さと期待の大きさです)を、いま一度考えてもらいたいものです
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