愛知集団暴行事件を考える2 3人を少年院送致に
愛知県刈谷市で少年グループが、「彼女がいるのに別の女の子をナンパした」と因縁をつけて男子高校生に暴行を加えた上、川で泳ぐよう強要して溺死させる事件がありました
その事件の少年審判があり、少年院送致の決定が言い渡されています
愛知県刈谷市で6月、県立高校1年生の吉田達哉さん(15)が集団暴行を受けた後、逢妻川へ入るよう命じられ水死した事件で、名古屋家庭裁判所岡崎支部田近年則裁判長)は6日、暴力行為法違反、強要、重過失致死の3つの非行内容で家裁送致された14歳~16歳の少年3人を初等・中等少年院送致にすると決定した。
決定などによると、私立高校生(16)、土木作業員(15)、公立中学生(14)の3少年は吉田さんが約束を破ったことに腹を立て、6月6日午後10時40分頃、逢妻川堤防で吉田さんの顔や腹を殴るなどし、危険と分かっていたのに対岸まで泳ぐよう命じて水死させたとしている。
田近裁判長は決定で、「制裁を加える目的で暴行しており、強い非難に値する」と批判する一方、「精神面は未熟で、少年院での教育で更生する可能性がある」などとした。私立高校生に「相当長期」、土木作業員には「比較的長期」の処遇勧告をつけた。
(毎日新聞の記事より引用)
現場には直接暴行に加わった3人のほか、6人もの男女がいたわけですが、そちらは何の処罰も受けなかったのでしょうか?
集まり、一緒になって騒ぎ、暴行をけしかけ、被害者が川で水死するのを眺めていた連中も同罪と思うのですが(立件するのは難しいとしても)
先に起きた川崎市での中学生暴行死事件では、犯行に加わった3人が家裁に送致された後、「検察官送致」の決定を言い渡されています。つまり刑事裁判で成人と同じく裁かれるのであり、相当長期の実刑判決が下されるものと予想されます
川崎の事件が執拗に中学生を呼び出しては暴行を加えた挙句、死に至らしめたものですから、本件よりもはるかに悪質です
上記の毎日新聞の記事にある処遇勧告を翻訳すると、「相当長期」とは成人に達するまで少年院に収容せよ、との意味です。「比較的長期」とは3年程度は少年院に収容せよ、と解釈されます
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