市原市男児連れ去り事件を考える
奈良県で家族で買い物に来ていた小学6年生の女児が男に連れ去られる事件があったのですが、車に監禁していた犯人は逮捕され、女児も無事保護されたと報じられています
この事件については後日、あらためて取り上げるつもりです
事件の報道に接して頭に浮かんだのが、昨年9月に起きた千葉県市原市での小学6年生男児を男が連れ去り、殴って大怪我をさせた事件です
昨年夏は体調を崩してブログの更新もままならず、取り上げ損ねた事件の1つであるため、こちらの方を先にします
事件の概要は以下のとおりです
9月26日午後5時55分ごろ、容疑者は、面識があったという被害男児の自宅前で帰宅を待ち構えていたとされる。男児が家に入ると、同時に侵入してきた容疑者は、興奮して騒ぎ出した。家にいた男児の姉は母親に電話。捜査関係者によると、容疑者は電話を代わり、母親に対して言いがかりのようなことを口にしていたとみられるという。
母親との会話でも容疑者の気分は落ち着かず、刃物のようなものを男児の首などに突きつけ、姉の目の前から男児を屋外に無理やり引きずり出したという。
約250メートル離れた近くの竹林へ連れ去り、興奮状態のまま手で首を絞めたり顔を殴ったりする暴行を加え、男児は気絶した。すぐに意識を取り戻したものの、男児は「男近くにいるかもしれない」と恐怖におびえ、3時間近くその場に倒れたまま「死んだふり」をしていたという。
犯人は自ら警察に電話をし、犯行を自供したため逮捕されています
被害に遭った男児は顔面打撲で全治一ヶ月の診断ですから、よほどの力で殴られたのでしょう
逮捕された住居不定、無職の石田大介容疑者(37)で、近隣ではこどもたちとゲームをして一緒に遊んでいる変なオジサン、として有名でした。こどもからゲームを取り上げるなどトラブルもあって、警察に通報されたこともあるのだとか
しかし、逮捕当時から実名報道するメディアもあれば、匿名のままというメディアもあり、対応が分かれました
言動がおかしく、警察の取り調べでも話が噛み合わないなど、精神障害か知的な障害をほのめかす記事もありました
その後、2014年9月末に千葉地方検察庁が起訴したと報じられたものの、検索しても公判が始まったとのニュースは見つかりません
通常、検察庁では起訴前に鑑定留置を請求し、責任能力の有無を調べた起訴に踏み切ります。しかし、逮捕された翌月に起訴しているところからすれば、鑑定留置を実施していないのは明らかです
起訴してから公判前に検察、裁判所、弁護人との間で争点整理の手続きが行われるため、そこで被告の責任の能力が争点として浮上したため、鑑定留置に踏み切ったとも考えられるのですが…
責任能力が問えないとの鑑定結果が出て不起訴にしたのであれば、検察庁から何らかの発表があったはずです。もちろん、不起訴だからといって被告人を野放しにするのではなく、精神疾患のため裁判で責任を問えない事情があるなら、県知事の許可を得て強制措置入院をさせるのが通常の対応です
自宅に住み暮らしていたわけでもない石田大介被告が働きもせず、こどもたちとゲームに興じていた、というのも不可解です
詳細をご存知の方がおられれば、石田被告がどうなったのか教示願います
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