山口5人殺害事件 死刑判決
2013年7月、山口県周南市で5人の住人を殺害したとして起訴されていた保見光成被告に対し、山口地方裁判所は死刑判決を言い渡しています
事件が発生した当時、メディアは「現代の八つ墓村だ」などと書き立て、はしゃいでいました
もちろんこの事件には落ち武者伝説など関係なく、津山30人殺しも関係ないのであり、メディアのはしゃぎっぷりが異常であり、不快なだけでした
被告の保見光成は近隣住民から嫌がらせを受けていたと、被害を訴えていましたが、山口地裁の判決ではこれを被害妄想と断じています
報復のための殺人ですが計画性があり、単に衝動にかられて凶行に走ったのではないと認定し、責任能力を問うことは可能だと結論付けています
山口県周南市金峰の集落で平成25年7月、近隣住人5人を殺害したとして、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた保見光成被告(65)の裁判員裁判の判決で、山口地裁の大寄淳裁判長は28日、争点となっていた被告の犯行時の精神状態について「完全責任能力があった」と認定し、求刑通り死刑を言い渡した。
被告は精神鑑定で、誤った思い込みを事実と確信し、正すことができない状態が続く妄想性障害と診断されており、犯行時の責任能力にどう影響したかが最大の争点だった。
検察側は「住民からうわさや挑発をされているなどの妄想や精神障害があったが、影響は著しいものではない」と指摘。「報復以外の選択肢もあったのに自らの人格に基づく判断で犯行に及んだ。凶器の棒を用意するなど一定の計画性もあった」として完全責任能力が問えると主張した。
弁護側は「事件は妄想が生んだ怒りや恨みで引き起こされた。検察側は妄想の影響を過小評価している」と反論。責任能力がなかったか低下した心神耗弱状態だったとして、無罪や刑の軽減による死刑回避を求めていた。
起訴状によると、平成25年7月21日夜、近所の貞森誠さん=当時(71)=夫妻や、保見被告宅の隣に住む女性の頭などを手製の木の棒で何度も殴るなどして殺害。2軒に放火し、22日朝までに集落の別の男女2人も殺害したとしている。
(産経新聞の記事より引用)
昔はこうした事件の場合、責任能力に限りがあったとして死刑を回避し、無期懲役を選択する判例が多かったように思います(具体的に判例を比較検討したわけではなく、あくまで個人的な印象です)
しかし、最近は被告人に妄想性の障害や発達障害などがあっても、結果の重大さを重視して極刑を言い渡すケースが増えているのではないでしょうか?
狭い集落の人間関係にうまく溶け込めず、孤立し猜疑心に凝り固まり、「殺すしかない」と思い詰めてしまった保見被告にとって、この判決もまた「自分を陥れようとする陰謀」の1つにしか映らないのかもしれません
ただ、保見被告が判決を納得できないとしても、5人の命を奪った凶行の責任は負うべきであり、死刑は当然でしょう
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