西伊豆電気柵感電事故死を考える1 安全管理欠如
西伊豆町で川遊びをしていた親子が電気柵で感電し、2人が死亡、5人が重軽傷を負う事故がありました
当初、報道される内容があまりに断片的であり、事故の全体像が見えないためブログで取り上げるのを見送っていました
ここ数日の報道でようやく事故の全体像が見えてきましたので、考えてみようと思います
静岡県西伊豆町で獣害対策として設置された電気柵付近で7人が感電し、うち男性2人が死亡した事故で、電気柵が近くの農機具小屋にある電圧100ボルトの家庭用コンセントを電源にしていたことが20日、下田署への取材で分かった。変圧器は付けられていたが、作動していなかった可能性もあるとみられる。
事故後、現場に入った人も「水の中でピリピリした」と話しており、下田署は業務上過失致死傷容疑を視野に捜査を開始。現場を実況見分して詳しい状況を調べている。農林水産省は30ボルト以上の電源を使用する電気柵を人が容易に立ち入る場所に設置する際は漏電遮断器を設置するよう求めている。
同署は、死亡したのは川崎市宮前区東有馬の尾崎匡友さん(42)と、神奈川県逗子市新宿の岩村知広さん(47)と明らかにした。
また、岩村さんの妻、貴子さん(42)と長男の小学生、海青君(8)が重傷。尾崎さんの妻、由香さん(43)と長男の小学生、来空君(8)、西伊豆町の山本澄江さん(75)が軽いけが。
事故は19日午後4時半ごろに発生。尾崎さんと来空君、海青君の3人が川遊びをしていた際に悲鳴を上げて倒れ、由香さんと岩村さん夫婦、山本さんが助けようとして川に入り感電した。
電気柵は川岸にあるアジサイの花壇を獣害から守るために近隣の住民男性が設置し、対岸にある農機具小屋から電線を引いていた。下田署が事故後に調べると、一部が壊れ、電線が水に漬かった状態だったという。
尾崎由香さんと山本さんは電気柵を設置した男性の親族。岩村さんは尾崎さんの友人で、一緒に西伊豆町を訪れていた。
(産経新聞の記事より引用)
電気柵を設置する場合、危険を表示する看板の設置が必要とされますが(法律で明確に義務付けられていはいないようです)、現場の電気柵には看板等の表示はありませんでした
もとより電気柵は野生動物を感電死させるのが目的ではないため、100ボルトの電流を流す必要はなく、変圧器で減圧して30ボルと程度の電流を使用するのが通常だとされます
しかし、この電気柵を設置した人物は危険表示の看板も出さず、電気柵の一部が壊れて川の水に電流が漏れだしているのも放置しています
漏電遮断機を設置していなかったため、川に電流が漏れても電流が遮断されなかったのであり、過失は明確です
さらに警察の事情聴取に「夜だけ電気を流していた」と説明しているそうですが、これも嘘ではないかと思われます。管理の杜撰さを見れば、24時間電気を流したままほったらかし、というのが実情だったのでしょう
電気柵が危険なものだとの認識を欠き、自己流でやっていたがゆえに重大な事故を招いたと言えます
働き盛りの男性2人を死亡させたのですから、1億円を超える損害賠償を突きつけられると推測されますが、電気柵の設置者にそれだけ重大な責務を負ったという自覚があるようには感じられません
「ヨソモノが勝手に電気柵に近づき、感電した」と迷惑を被ったのはこちらの側だ、との認識なのでしょう
それにしても紫陽花をシカが好んで食べる、という話は意外でした。紫陽花には毒があり、料理に添えた紫陽花の葉を食べて食中毒になるケースが数件報告されています。ただし、紫陽花の毒が抽出され、成分が特定されているわけではなく、あくまで推測なのだとか
野生のシカには紫陽花の毒に対する抗体とか、これを分解する酵素などを体内に秘めているのかもしれません
身近にある紫陽花ですが、まだまだ未知の部分があると知りました
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