安保関連法案成立と「ぼくたちの失敗」

野党と一部勢力の執拗な反対にも関わらず、安全保障関連法案が衆議院本会議で可決・成立しました
「徴兵制が復活する」などとデマを流し、反対運動を繰り広げていた人たちは何を思うのでしょうか?(特段、知りたくもないのですが)
ニューズウィークの記事が簡潔にして、事態を俯瞰する内容なので引用します
もちろん、ニューズウィークという媒体ではありますが、記事を書いているのは日本人です


挫折した反安保法案デモの「アカシアの雨」
安保法案が衆議院本会議を通過した。あとは参議院でも「60日ルール」で成立は確実だ。野党はプラカードを掲げたり国会デモをかけたりして騒いだが、その規模は延べ100万人以上が国会を包囲した60年安保とは比較にならない。
60年のときも野党は「日米の軍事同盟で戦争に巻き込まれる」と主張した。PKO法(国連平和活動維持法)のときも、湾岸戦争のときも「巻き込まれる」という話だったが、それから一度も日本は戦争に巻き込まれていない。それは平和憲法のおかげではなく、日米安保条約とアメリカの核の傘によってアジアの軍事的均衡が保たれたからだ。
このように「アメリカの戦争に巻き込まれる」ことを警戒する冷戦時代の発想で戦争を考えてきたのが、日本の野党とマスコミの特徴だ。たとえば中東を見れば明らかなように、現代の戦争はそういう主権国家や軍事同盟と無関係な「イスラム国」のようなゲリラの戦争であり、どういう形で日本が攻撃されるかは予想がつかない。
(中略)
今回の法案が成立しても、日本の安全保障に実質的な変化はない。それぐらい「腰の引けた」法案だったが、野党やマスコミが過剰に騒いだのは、他に争点がないからだろう。それに踊らされてデモをやった人々は、これで60年安保のあとのように「挫折」し、大人になってゆくのだろう。あのときはやった歌が、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」だった。

アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
夜が明ける 日がのぼる
朝の光のその中で 
冷たくなったわたしを見つけて
あの人は涙を流してくれるでしょうか

反安保法案デモは、60年安保とは比較にならない小さな出来事として忘れられるだろう。左翼は単に戦術的に失敗したのではなく、彼らの掲げた「巻き込まれ」とか「非武装中立」という争点が間違っていたのだ。60年安保の挫折後にそれを理解したのは、丸山眞男など数少ない知識人だけだったが、今回はもう参加者の中に知識人と呼べる人もいない。


ここでなぜ、西田佐知子の「アカシアの雨」が唐突に出てくるかは分かりません。60年安保闘争の挫折感を象徴する歌であり、時代の雰囲気を色濃く反映した切なさ、虚しさがあるからなのでしょう
しかし、今回の反対デモ参加者の高齢者はともかく、若い人たちには馴染みのない曲であり、共感を覚えたりはしないわけで
話を戻して、日本国内で、特に国民の間では安全保障、有事の対話がいかに困難であるかを、この法案を巡るドタバタ劇は示しています
反対する人たちは、「そもそも自衛隊の存在自体が憲法違反」だと主張するのですから、対話など成立しません。彼ら彼女らは「日本には憲法9条がある。だから軍隊はいらない」と、現実を直視せず非武装中立論に走ったりします
1960年以降の歴史から目をそらして、ひたすら空想的な平和論を唱える人たちと安全保障について語り合おうとしても無理です
それは一般国民だけでなく、野党の国会議員も同じです。国会議員のバッジを付けてはいても、頭の中身が古臭いイデオロギーで固まってしまい、安全保障の議論ができないのは今国会を見れば分かります
ニューズウィークの記事の末文は辛辣です。野党とそこに連なって反対を唱えたのは知識人と呼ぶにも値しないデマゴーグであり、これこそ「反知性主義」の行動だと言えます
ここは西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」ではなく、森田童子の「ぼくたちの失敗」を記事のタイトルに用いました

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